ユーラシア・グループは、今年の米原油生産量が過去最高の日量1400万バレルに達するとの自社予測を「もはや堅持できない」と明らかにした。トランプ米政権の貿易政策が、世界のエネルギー市場に暗い影を落とす現状を反映した。

ユーラシア・グループのグレゴリー・ブルー氏とヘニング・グロイスタイン氏らアナリストはリポートで、米国内の産油量が今年日量1340万バレル近くかそれを下回る水準にとどまると予想した。米エネルギー情報局(EIA)によると、米原油生産量は昨年終盤に日量1345万バレルと、月間記録を更新していた。

米原油相場は4月に入り15%余り下落し、4年ぶり安値近辺で推移している。

トランプ政権は、中国を除く貿易相手国・地域への上積み関税を90日間停止する一方、中国への関税率を145%に引き上げた。米中が関税の応酬をエスカレートさせる中で、リセッション(景気後退)不安がエネルギー消費の見通しに重くのしかかっている。

「関税が撤回ないし修正されたとしても、不確実性とセンチメント悪化に相場下落が重なった結果、米国の中規模企業が2025年の設備投資を見直し、生産が減少する可能性が高い」とアナリストらは指摘した。

ユーラシアは、北海原油代表油種ブレント価格が1バレル=60-80ドルのレンジの下限にとどまり、今年の供給超過は従来予想の日量75万バレルを上回るとみている。

原題:Eurasia Slashes US Oil Output Forecast by 600,000 Barrels a Day(抜粋)

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