ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストらが中国の主要株価指数の目標水準を引き下げた。米中貿易摩擦の激化が背景で、引き下げは今月2度目となる。

劉勁津氏率いるチームは14日付リポートで「米中貿易摩擦は前例のないレベルにまで高まり、世界的なリセッション(景気後退)への懸念を招き、世界二大経済大国間のデカップリングリスク、特に資本市場、テクノロジー、地政学上のリスクが高まっている」とコメントした。

MSCI中国指数の12カ月目標を81から75に、CSI300指数を4500から4300にそれぞれ引き下げた。新たな目標は11日終値をそれぞれ12%、15%上回る水準。

米中貿易摩擦が激化する中、中国株は打撃を受けており、一段のエスカレートに対する懸念が引き続き投資家心理の重しとなっている。

ゴールドマンは今年2月、DeepSeek(ディープシーク)の登場で中国の技術的進歩を巡り楽観的な見方が広がっているとして、MSCI中国指数が今後1年で85に達すると予想。ただ、トランプ氏による対中関税を巡る懸念から同指数はその後8%余り下落した。

トランプ氏が4月2日に関税を発動したことを受け、ゴールドマンは6日にMSCI中国指数の目標水準を81に引き下げていた。

ストラテジストらはまた、香港上場の中国本土銘柄であるH株よりも本土の証券取引所に上場している中国企業株のうち人民元建てで取引されているA株を戦術的に選好すると説明。貿易摩擦の影響緩和に向け「断固かつ強力な」政策変更を予想しているとし、銀行と不動産に対する投資判断を「オーバーウエート」に引き上げた。

原題:Goldman Cuts Targets on China Stocks for Second Time This Month(抜粋)

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