トランプ米政権が貿易相手国・地域に追加関税を発動し、世界のエネルギー需要が損なわれる懸念が広がる中で、ヘッジファンドは記録的なペースで原油のポジションを反転させた。

ICEフューチャーズ・ヨーロッパのデータによると、マネーマネジャーの北海原油代表油種ブレントのネットロング(買い越し)は、4月8日終了週に16万2344枚減り、15万5838枚となった。2011年以降のデータを見る限り、減少幅は最も大きい。

一方、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の買い越しも09年以来の最低水準に減少した。

前週のデータでは、マネーマネジャーらは北海ブレントの強気ポジションを11カ月ぶり、WTIは6週間ぶりの高水準に積み上げていた。これに対し、最新週のデータは完全に異なる様相を呈した。

トランプ政権は、中国を除く貿易相手国・地域への上積み関税を90日間停止する一方、中国への関税率を145%に引き上げたが、今回の最新データは、その直前の投資家ポジションを反映している。

石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は今月3日、供給拡大ペースを加速させ、5月から日量41万1000バレルを市場に追加供給すると発表した。

トランプ大統領はこれに先立ち、中国やインドを含む主要原油輸入国にとって特に打撃となる一連の関税政策を公表。二重のダメージを被った国際原油価格は、ニューヨーク原油先物相場が4月に入り一時約14%下落し、4月第1週を通じて21年以来の安値近くで取引された。

 

原題:Hedge Funds Reversed Oil Bets at Record Pace After Trump Tariffs(抜粋)

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