(ブルームバーグ):日本銀行の植田和男総裁は14日、米関税措置を受けた金融政策運営について、今後の経済・物価・金融情勢を点検し、2%物価目標の実現に向けて適切に政策を運営していく考えを示した。衆院予算委員会で答弁した。
植田総裁は、一連の米関税政策によって内外の経済・物価を巡る不確実性が大きく高まったと指摘。海外・日本経済の下押し要因となる一方、物価への影響に関しては、「上下双方向のさまざまな要因が考えられ、現時点で一概には評価できない」と改めて説明した。
その上で、状況によっては再び金融緩和政策で対応する考えがあるかを問われ、経済・物価・金融情勢を予断を持たずに点検し、「2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現という観点から、適切に政策を運営していきたい」と語った。
米関税措置を受けた金融市場の混乱などを受けて、堅調な賃金と物価を背景とした日銀の早期利上げ観測は急速に後退している。植田総裁は9日、日銀の経済・物価見通しが実現していけば引き続き利上げを行う考えを改めて示しつつ、米関税政策などで不確実性が高まっている点には十分に注意が必要だとの見解を示した。
(発言の詳細を追加して更新しました)
--取材協力:氏兼敬子.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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