(ブルームバーグ):バンク・オブ・アメリカ(BofA)のリポートが引用したEPFRのデータによれば、欧州の投資適格債ファンドからの資金流出額は9日までの1週間で約81億ドル(約1兆1600億円)と、2022年10月以降で最大となった。
ハイイールド債ファンドからの資金流出額は約62億ドル。流出は5週連続だった。

前の週には投資適格債ファンドに約17億ドルが流入していた。同ファンドの残高は約2兆ドル。
ここ数カ月間は、利回りを求める投資家の需要や比較的落ち着いた市場を背景に債券市場への着実な資金流入が見られ、スプレッドが圧縮されることで企業による資金調達が容易になっていたが、債券市場からの資金流出が続けばこうした動きが反転する恐れがある。投資家のリスク志向に影響が及び、信用スプレッドに圧力がかかると同時に幅広いボラティリティーの高まりが想定されている。
トランプ米大統領の関税措置を受け、デフォルトリスクをヘッジするために利用されるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を追跡する指数は欧米の両方で23年3月以降で最も上昇。中国を除く数十カ国・地域に対する上乗せ関税は先週半ばに一時停止となったが、米中貿易摩擦が激化する中、センチメントは依然として脆弱(ぜいじゃく)となっている。
年初来の資金流入額は大幅に減少。ユーロ建て投資適格債ファンドは160億ドル、ハイイールド債ファンドは約69億ドルとなった。
EPFRは現時点でコメント要請に応じていない。
原題:Over $8 Billion Yanked Out of European High Grade Funds (1)(抜粋)
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