(ブルームバーグ):14日の東京外国為替市場の円相場は、一時1ドル=142円台前半に上昇。トランプ米政権の関税政策に対する懸念が根強く、ブルームバーグ・ドル指数は年初来安値を更新した。関税協議で米国側から為替に関する議論が提起された場合、赤沢亮正経済再生相が応じる考えを示したことも円安是正の思惑から円買いを促している。
オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクターは「先週のドル売りの余韻が続いている」と指摘。赤沢再生相の発言を巡っては、足元で円高が進む中、日本銀行の利上げや為替介入は考えづらいとしながらも、「発言に対する警戒感から円が買われている面もあるかもしれない」と述べた。
米連邦準備制度理事会(FRB)の市場安定化に向けた介入の姿勢やトランプ政権がスマートフォンなど一部電子機器の上乗せ関税を除外したことなどで投資家のリスク回避姿勢が和らいだため、円は早朝に一時144円31銭まで下落した。ただ、トランプ氏は電子機器に対して引き続き関税を課すと改めて表明しており、米中貿易摩擦への根強い懸念が円相場を支えている。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は「トランプ大統領の強硬姿勢は少しマイルドになってきたが、投資家は一つ一つの発言に対して疑心暗鬼になっており、ドル・円を買い上がる感じではない」と言う。日米関税交渉では為替に重きが置かれているとし、「日本に対する関税が見通せるようになれば、日銀は利上げしやすくなる」との見方を示した。

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