(ブルームバーグ):トランプ米大統領は上乗せ関税の一時停止を決めたが、ウォール街のエコノミストは米経済成長が大幅に鈍化するという見方を変えておらず、リセッション(景気後退)のリスクは依然高いと警告している。
モルガン・スタンレー、BNPパリバ、RBCキャピタル・マーケッツが10日にそれぞれ発表したリポートでは、米国内総生産(GDP)成長率は2025年が0.1-0.6%、26年が0.5-1.5%と見込まれている。失業率は来年に約5%に上昇し、今後数四半期にわたってインフレ率が上昇するとの予想だ。
ホワイトハウスが11日、中国からの輸入品に対して賦課している関税は合計で少なくとも145%に上昇すると明確にしたことで、トランプ大統領の貿易戦争の規模が改めて浮き彫りとなった。ブルームバーグ・エコノミクス(BE)によると、米国の平均関税率は歴史的水準まで上昇している。
BMOファイナンシャル・グループのチーフエコノミスト、ダグラス・ポーター氏は11日のリポートで「この関税水準および不透明感が今後も長期にわたって続くのだろうか。もしそうであれば、われわれは米国のリセッションを予想することになる」とし、「現時点では、数四半期にわたってGDP成長率が1%未満にとどまるとみている」と記した。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のメーバ・カズン氏は「トランプ大統領による今週の方針転換は、米国への打撃を和らげることにも、中国への打撃を強めることにもならない可能性がある」と指摘。「欧州経済へのプラス効果も限定的だ。最も恩恵を受けるのは、経済を開放しているアジアの小規模な国だが、それはこの一時停止が90日間を超えて継続された場合に限られる」とした。
2025年の景気後退リスクは依然として高い水準にとどまっている。ゴールドマン・サックス・グループが予想する今後12カ月間のリセッション確率は、上乗せ関税一時停止の発表前の65%からはやや低下したが、なお45%と高い。JPモルガンのチーフ米国エコノミスト、マイケル・フェローリ氏は「今年後半には実体経済の縮小が起こる可能性の方が高い」とリポートに記した。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は11日、「実質GDP成長率は昨年のペースから大幅に減速し、おそらく1%を下回るだろう」と指摘。「経済見通しに関する不確実性は多くの要因を反映しているが、関税や貿易政策が経済に与える影響は間違いなくその最たるものだ」と述べた。
原題:US Economists Say Recession Risk Is Still High After Trump Pivot(抜粋)
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