フランスのマクロン大統領は、中規模国が連携して米国と中国に対抗するよう呼びかけた。

マクロン氏は今週のアジア歴訪でこの主張を強く訴えた。今回の歴訪ではイラン戦争でホルムズ海峡が事実上閉鎖される中、エネルギー価格の高騰に苦しむ韓国や日本との協力強化や、同海峡の海上安全保障について協議した。

同氏はソウルの学生に対し「われわれの目的は、2つの覇権国家の属国になることではない」と述べ、「中国の支配に依存することも望まないし、米国の予測不可能性に過度にさらされることも望まない」と語った。

欧州諸国は国際法、民主主義、気候変動、世界的な保健問題などの分野で、日本や韓国と共通の課題を有しているとも指摘した。

さらに、オーストラリアやブラジル、カナダ、インドなども同様の立場にあると列挙し、これらの国々が連携すれば、人工知能(AI)や宇宙、エネルギー、原子力、防衛、安全保障など幅広い分野で協力できると主張した。

フランスは欧州連合(EU)で唯一の核保有国であり、最も強力な防衛産業を有する。マクロン氏は近年、第2次世界大戦期の指導者シャルル・ドゴールの路線を踏襲し、中国と米国の間で中道を探る姿勢を繰り返し示し、世界秩序の分裂に警鐘を鳴らしている。

しかし、米国が国際機関を軽視する中、フランスの伝統的立場に変化が見え始めている。マクロン氏は6月、フランスで開催する主要7カ国(G7)サミット(首脳会議)でも自身のメッセージを強く打ち出す見通しだ。

トランプ米大統領は北大西洋条約機構(NATO)など同盟国への批判を強めており、イラン対応で十分に協力していないとしてフランスや韓国を批判している。同氏は、米軍機の仏領空通過を認めなかったとして同国を「非常に非協力的だ」と呼び、「米国は決して忘れない」とSNSに投稿した。

マクロン氏は、フランスがこの戦争について事前に協議されておらず、関与していないと繰り返し述べている。同氏は「米国は偉大な国だ」としながらも、今のやり方は「パンドラの箱」を開ける危険があると指摘した。

また、イランを念頭に「爆撃や軍事作戦だけで状況が解決するとは考えていない」と述べ、イラク、シリア、アフガニスタンを例に挙げ、「われわれは成果を出せていない」と述べた。

マクロン氏は代わりに、イランとの「衝突回避メカニズム」の構築や、爆撃終了後のホルムズ海峡での船舶護衛任務を提案した。

ホルムズ海峡では中東紛争で商業船の航行が事実上停止している。同海峡は通常、世界の原油および液化天然ガス(LNG)輸出の約5分の1が通過する要衝となっている。

原題:Macron Criticizes Trump and Calls on Allies to Unite Against US(抜粋)

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