トランプ米大統領は4日、米国との和平合意を迫ってイランに提示していた10日間の攻撃猶予について、期限が迫っているとし、応じなければ48時間以内に「とてつもない地獄」に直面することになるだろうと警告した。

トランプ氏は「合意を結ぶ、ないしホルムズ海峡を開放するよう求め、イランに与えた10日間の猶予を覚えているか」と自身のSNSトゥルースソーシャルに投稿。「期限が迫りつつある。とてつもない地獄が彼らを支配するまで48時間だ。神に栄光あれ」と述べた。

トランプ氏は3月下旬に、イランがホルムズ海峡を速やかに再開しなければエネルギー施設を攻撃すると警告。和平協議に向けた予備交渉が進んでいるとして期限を2回延長し、現在は米東部時間4月6日午後8時(日本時間7日午前9時)までとしている。

米・イスラエルとイラン双方による攻撃は激化しており、3日にはイランが米戦闘機を撃墜した。戦争終結に向けた道筋を一時模索していたようにみえたトランプ氏だが、このところの発言は一段と強硬になっている。

トランプ政権がイランの民間エネルギーインフラを攻撃した場合、国際法上、戦争犯罪に該当する可能性が高い。

ブルームバーグは、米国がステルス性能を備えた長距離巡航ミサイル「JASSM-ER」のほぼ全ての在庫を太平洋地域および本土からイラン攻撃に備えて移送させていると報じた。移送後には世界の他地域で利用可能なJASSM-ERは約425発にとどまる見込みという。

行方不明の乗組員

米国はイランが撃墜した米軍戦闘機の乗組員1人について、イラン領内での捜索・救助作戦を続けている。

米当局者によれば、米国は3日に撃墜されたF15E戦闘機の乗組員2人のうち1人を救助した。機密情報を理由に匿名で語った。残る1人の行方は分かっていない。

イランのメディアによると、同国当局はこの乗組員の身柄を確保した市民に約6万6000ドル(約1050万円)を支払う方針を示した。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は、米軍のA10攻撃機が3日にホルムズ海峡付近で墜落したと報じた。米当局者2人を引用しており、唯一の乗組員であるパイロットは無事救助されたとしている。

米政権にとって、こうした事態は大きな打撃だ。6週目に入る戦争はエネルギー価格の急騰を招いており、イランが譲歩する兆しはほとんど見られない。

トランプ氏は3日、NBCニュースのインタビューで、捜索・救助作戦についての言及を避けた。一方で、こうした事態がイランとの交渉に影響を与えることはないとの認識を示したと、電話取材した記者が伝えた。トランプ氏は「いや、全く影響はない。戦争だからだ」と語ったという。

NBCによると、F15Eの捜索に関与していた軍用ヘリコプター2機がイランの攻撃を受けた。

双方の攻撃続く

イラン準国営ファルス通信は4日、米・イスラエル軍がイラン石油化学産業の集積地区を攻撃し、複数の施設が被弾したと報じた。同地区の人員には避難命令が出されたという。

イランの政府系メヘル通信は、この攻撃で5人が死亡、170人が負傷したと報じた。

また、イランの準国営タスニム通信によると、同国ブシェール原発の外周部で同日、米・イスラエル軍による攻撃があり、保安要員1人が死亡した。原発の主要施設には影響がなかったとしている。施設の主要部分にはロシア国営原子力企業ロスアトムの職員が勤務している。

イランも中東諸国へのミサイルやドローン(無人機)による攻撃を続けている。

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ当局によれば、情報通信(IT)や通信産業が集積するドバイ・インターネット・シティにある米オラクルのビルでは4日、迎撃による破片が建物外壁に落下した。

近隣のドバイ・マリーナの建物にも破片が落下したという。火災や負傷者などの報告はない。

クウェートの国営石油会社クウェート・ペトロリアム(KPC)の本社がイランによるドローン攻撃を受け、火災が発生した。

イランはイスラエルへのミサイル攻撃も続けた。当局によれば、テルアビブの駐車場や周辺の町の建物に被害が生じたが、いずれも迎撃に伴う破片が原因だという。死傷者に関する報告は現時点でない。

トランプ氏は1日夜の国民向け演説で、イランにはもはや対空設備がないと述べていた。ヘグセス国防長官や米軍司令官らもこれまでに、イラン領空に対して米国が航空優勢を確保していると主張していた。

米国またはイスラエルの戦闘機が戦闘中に失われたことが確認されたのは、2月末の戦争開始後で初めて。空軍基地でイランの無人機やミサイルによる攻撃を受けて戦闘機などが破壊される、損傷を受けることはこれまでにあった。

3月2日には米軍の戦闘機3機が撃墜されたが、クウェートの防空システムによる誤射が原因だった。6人の乗組員全員は緊急脱出に成功し、救助された。

イラン軍は4日、ホルムズ海峡における船舶通航制限から、主要産油国のイラクを除外すると発表した。日量最大300万バレルのイラク産原油を輸送することが可能になり得る。

ただし、イラク政府高官は制限除外の実効性について、海運会社が海峡を通過して貨物を積み込むリスクを受け入れるかどうかに左右されると警告した。

原題:Trump Warns Iran Has 48 Hours Left as Airman Still Missing (2)、Trump Threatens Iran With ‘Hell’ as Airman Search Continues (1)(抜粋)

(情報を追加して更新します)

--取材協力:Dan Williams.

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