中国が米国の半導体への新たな関税を発表したことを受け、米国に工場を持つ半導体製造企業の株価が11日下落した。

中国政府は同日、米国からの全輸入品への関税を84%から125%に引き上げると発表した。これを受け、中国の半導体産業協会は、半導体の原産国ではなく、製造国を輸入元とする基準を適用するとの緊急の通知を出した。

これにより、米国に半導体工場を構えるテキサス・インスツルメンツ(TI)やインテルが特に圧力にさらされることになった。TI株は10.6%、インテル株は8.6%、グローバルファウンドリーズは4.7%、それぞれ一時下落した。

 

フェニックス・ファイナンシャル・サービシズのチーフマーケットアナリスト、ウェイン・カウフマン氏は「半導体メーカーにとってはとてつもない不確実な事態だ。半導体業界がこれまで受けた打撃よりもさらに痛手を負うようなら、一般市場にも悪影響が及ぶだろう」と指摘した。

アナログ・デバイセズとマイクロチップ・テクノロジーも低調な取引となっている。アップルの主要なサプライヤーであるスカイワークス・ソリューションズ、コルボも下落した。

中国の関税は、米国で半導体の設計をしても製造はしていない企業は対象外となる。その結果、エヌビディアが一時3%高、台湾積体電路製造(TSMC)の米国預託証券(ADR)が一時4.5%高と、上昇した半導体メーカーも複数ある。

米国みずほ証券で半導体部門を担当するジョーダン・クライン氏は関税はTSMCにとっては「非常に良く」、クアルコムやアドバンスド・デバイセズにも有利に働くと述べた。

クライン氏はリポートで「私が集めた反応は全て、半導体株と株式市場の回復にとって、今重要なのは米中の貿易協定であることを示している」と書き、「話をした人のうち、中国との協定がすぐに締結されると信じている人はほとんどいなかった」と強調した。

原題:Texas Instruments, Intel Sink as China Tariffs Hit US-Made Chips(抜粋)

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