10日の米株式市場でワクチンメーカーの株価が下落。ケネディ米厚生長官が一部の新型コロナウイルスワクチンについて、有効性に疑問を呈した。

ケネディ氏が効果を疑問視したワクチンを製造するノババックスは一時26%安と、昨年7月以来の大幅な下げ。 別のタイプのワクチンを製造するライバル企業の株価も下落し、モデルナは一時11%安、ファイザーは6.2%安となった。

ケネディ氏は9日に公開されたCBSニュースのインタビューで、ノババックス製ワクチンの承認の遅れについて質問された。同ワクチンは既に食品医薬品局(FDA)から条件付き承認を受けており、今月1日に完全承認される見通しだった。

同氏は、ノババックスのワクチンはウイルスの一部分のみを標的としているが、そうしたアプローチは呼吸器疾患には「全く効果がなかった」と答えた。

ノババックスのコロナワクチンを用意する医療関係者(2022年)

今月に入りFDAなど米公衆衛生機関の人員が大幅に削減されたことを受け、バイオテクノロジー株の投資家は医薬品の承認が遅れる可能性に注目している。また、ケネディ氏が過去にワクチンに懐疑的な見方を示していたことを踏まえ、FDAがワクチンを予定通り承認するかも懸念されている。

米疾病対策センター(CDC)の「予防接種の実施に関する諮問委員会(ACIP)」は来週会合を開き、コロナワクチンを含む複数のワクチンに関するデータを検証し、接種対象を提言する予定だ。ケネディ氏就任後初の会合となる。

ノババックスは2日の発表資料で、FDAからの全ての情報提供要求に対応したとし、同社ワクチンは承認の準備が整っていると確信しているとコメントした。

ポリティコは先週、FDAの上級幹部がノババックスのワクチン審査に直接介入し、さらなるデータを求めて承認プロセスを一時停止させたと報じていた。

原題:Vaccine Makers Fall After RFK Jr. Says Some Shots Don’t Work (1)(抜粋)

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