世界の二大経済大国である米国と中国の間では貿易戦争が激化しつつあり、それが今後の銅需要を満たす上で必要となる投資にどのような影響を及ぼすか、銅業界は関心を寄せている。

トランプ米大統領は世界貿易のバランスを取り戻す取り組みの一環として、中国からの輸入品に計145%の関税を賦課。中国は報復措置を講じている。

米中間の貿易戦争激化で世界の成長見通しは悪化。債券市場の大幅な変動に伴い信用コストが上昇している。銅の供給拡大を巡る数十億ドル規模の決定を担う人々にとっては有害な組み合わせだ。

こうしたプロジェクトは長期的な需給予測に基づいて行われるが、過去の不況で痛手を被った経験のある鉱山会社や出資者は二の足を踏んでいる。

イバン・アリアガダ氏

チリの銅採鉱会社アントファガスタのイバン・アリアガダ最高経営責任者(CEO)はサンティアゴで今週開催された鉱業界のイベント「CESCOウイーク」で、「鉱業分野の投資家は、特に長期投資に関して一段の確実性を求める傾向にある。それが投資の減少や一部の決定先送りにつながることもあり得る」と述べた。

CRUグループの推計によると、エネルギー転換と送電網の整備、米国で見込まれているデータセンターブームに伴う需要拡大を考慮すると、業界は今後10年間でまだ認可されていないプロジェクトから750万トンの銅を生産する必要がある。

今週の会合で、業界関係者は協力の重要性を強調したほか、新たなテクノロジーの採用や水・エネルギーに関連する補助的業務のスピンオフないし外部委託に言及していた。

原題:Trade War Risks Copper Investments Needed to Meet Future Demand(抜粋)

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