(ブルームバーグ):デル・テクノロジーズは、米国で多くのパソコン(PC)の割引を廃止・縮小した。関税の影響で消費者の負担が今後増す可能性を裏付ける動きだ。
デルのオンラインストアに現在掲載されているノートPCの割引は、少なくとも2024年以降で最も数が少ない。デスクトップPCでも、一部の割引がなくなった。インターネットアーカイブ「ウェイバック・マシン」の保存データ分析で明らかになった。
一例として、ノートPC「XPS 16」は25年3月後半時点で600ドル(約8万8000円)割引されていたほか、24年12月時点でも大幅に値引きされていた。だが今月9日時点でそうした割引はなくなり、価格は約3050ドルとなっている。

トランプ米大統領の関税措置は、世界の市場を混乱に陥れリセッション(景気後退)懸念を招いている。電子機器メーカーには特にその脅威が大きい。世界中で部品や労働力を調達しているためだ。
トランプ氏が米国に報復措置を講じていない国・地域に対し、上乗せ関税を一時停止すると発表し、株式相場は9日に急回復したが、中国への関税は125%に引き上げている。
デルはコメント要請にすぐには応じなかった。イボンヌ・マギル最高財務責任者(CFO)は3月、同社は関税を投入コストとして見ていると投資家に説明。投入コストの上昇は「最終的に顧客に転嫁せざるを得ないだろう」と話していた。
原題:Dell Reduces Computer Discounts After Tariffs Rattle Business(抜粋)
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