ローン担保証券 (CLO)市場に不安の兆しが表れている。レバレッジドローンと呼ばれる低格付け企業向け貸付債権を証券化し、元利金を裏付けに発行される。

トランプ米政権が貿易相手国・地域に課す関税政策による混乱がさまざまな資産クラスに波及し、ボラティリティーが高まっている。

最高格付けのCLOに投資する200億ドル(約2兆9000億円)規模の上場投資信託(ETF)「ジャナス・ヘンダーソンAAA・CLO・ETF(ティッカーJAAA)」から約6億ドルの資金が7日に引き出された。ブルームバーグの集計データによれば、1日の流出額として2020年のスタート以来で最も大きい。

資金流出に伴い、7日のJAAAの取引価格終値は、ポートフォリオのCLOの価値を1.1%下回り、記録的なディスカウントとなった。

売り圧力が強まる中で、CLO・ETFは解約に応じるため、保有資産の一部清算を余儀なくされている。事情に詳しい複数の関係者によると、JAAAは7日に約2億2000万ドル相当のCLOを売却し、4日にもかなり処分した。

CLOは通常変動金利であり、従来の想定より速いスピードで金利が低下しそうな局面では、投資リターンが悪化する。借入金を活用した企業買収、レバレッジドバイアウト(LBO)向けの貸付債権を担保とすることもあって、信用リスクにもさらされる。

 

原題:Cracks Are Forming in CLO Market as ETFs on Record Selling Spree(抜粋)

--取材協力:Scott Carpenter.

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