米電気自動車(EV)メーカー、テスラに対してウォール街でも屈指の弱気なアナリストが同社の収益予想をさらに引き下げた。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に対する反発の大きさが理由。

テスラの1-3月(第1四半期)の販売台数は、JPモルガン・チェースのアナリスト、ライアン・ブリンクマン氏の悲観的な予測でさえも大幅に下回った。ブリンクマン氏は4日のリポートで、「以前から懸念していた前例のないブランドへのダメージが確認された」と指摘した。

同氏は販売台数報告について「あるとすれば、消費者の反応の度合いを過小評価していた可能性があると考えざるを得ない」と記した。

 

テスラ株は通常取引を4%余り下げて開始。一時は12%下げた。昨年12月17日に過去最高値を記録して以来、3日終値までに44%下げていた。

1-3月期の販売台数は33万6681台と、2022年以来の低水準となった。組立工場の生産ラインを「モデルY」の新型車生産に向けて改修したことに加え、マスク氏が政治への関与で極端な人物として注目されるようになっていた。

David Welch記者がテスラについてリポート

JPモルガンは現在、テスラの第1四半期の利益を1株当たり36セントと予想している。従来は40セントだった。アナリストの平均予想は46セント。

ブリンクマン氏は通期の予測も2.30ドルに引き下げた。ブルームバーグが調査したアナリストの平均予想は2.70ドル。

 

ブルームバーグは3日、トランプ米大統領の臨時顧問としての130日間の任期が終了すれば、マスク氏は「政府効率化省(DOGE)」を率いる役割から退く見通しだと報じた。

しかし、事情に詳しい関係者によると、マスク氏は正式に退いた後も連邦政府のコスト削減の取り組みに大きな影響力を持ち続け、トランプ大統領から引き続き信頼を寄せられる見通しだ。

イーロン・マスク氏

大統領選でトランプ氏最大の献金者となったマスク氏は今年初めから欧州に狙いを定め、主流派の政治家を攻撃し、極右政党や活動家と連携している。これはテスラにとって逆効果となり、同社にとって欧州唯一の組立工場があるドイツでは、1-3月期の販売台数が62%減少した。

原題:Tesla Estimates Cut Further on ‘Unprecedented Brand Damage’ (2)(抜粋)

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