4月第2週(7-11日)の日本株は方向感に欠ける動きになりそう。大幅な下落の後で一時的な反発が期待される一方、世界景気の不透明感は引き続き重しになる。トランプ米大統領の関税政策に関する発言や、報復措置などを巡る各国の動向に相場は一喜一憂するだろう。

4月第1週の東証株価指数(TOPIX)は週間で約10%安と2020年3月以来の下落率。トランプ米政権による相互関税の発表を受け、景気減速への懸念の高まりから世界的にリスク資産の株式が売られた。

7日に日本銀行が支店長会議を開催し、地域経済報告(さくらリポート)を公表する。米関税政策を起因とした景気懸念で利上げが遅れるとの見方が広がれば、足元の円高に歯止めがかかり日本株の支えになる可能性もある。

9日にセブン&アイ・ホールディングス、10日にファーストリテイリングの決算発表が予定されている。米関税政策の業績への影響や景気減速に対する主要企業の見方に注目が集まる。

米経済指標では、10日に3月の消費者物価指数(CPI)、11日に生産者物価指数(PPI)が発表される。米国で景気後退とインフレが同時進行するスタグフレーションへの懸念が強まる中、食品とエネルギーを除いたコアCPIは前月比0.3%上昇と、2月の0.2%から伸びが拡大する見込み。

《市場関係者の見方》

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平上席投資戦略研究員

方向感に欠ける動きになりそう。日経平均が3日と4日で2000円ほど下落し、下値の堅さはある程度見えてくる一方で、米関税政策への不透明感は変わらず、すぐに上昇する動きにはなりにくい。市場の焦点は関税政策や景気の先行きにあり、企業決算の相場への影響は限定的。国内企業によるトランプ関税の影響に関するコメントに注目が集まる。

東海東京インテリジェンス・ラボの池本卓麻マーケットアナリスト

トランプ大統領の政策により業績への不安が出てくると予想1株当たり利益(EPS)が引き下がり、割安感があっても買いが入る地合いではない。足元の日経平均は価格帯別売買高で少ない水準にあり、ずるずると下がりやすい。米関税政策は国ごとに交渉余地があるとしており、楽観的なニュースがあれば短期的に反発する場面もありそう。

--取材協力:我妻綾.

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