石破茂首相は4日午前、米国による一連の関税措置は「国難とも称すべき事態」だとして、野党も含めた超党派で検討し、対応していく必要があるとの認識を明らかにした。午後に与野党党首会談を開いて協議するが、野党側からは経済対策を求める声も出ている。

衆院内閣委員会で答弁した。石破首相は米国の判断について「極めて残念、極めて遺憾、極めて不本意だ」と語った。トランプ大統領が発表した「相互関税」の積算根拠も分からないとして、米側に「感情的にならずにきちんとただしていくということは必要だ」と指摘した。

同委で立憲民主党の今井雅人氏は、米国に対して「報復措置をしているような国もある」と指摘した上で、今後の日本の対応を質問した。石破首相は「報復関税であるとか、WTO(世界貿易機関)であるとか、何が一番効果的なのかということを考えたい」と述べた。

日本から米国への輸出は2024年に総額約21兆3000億円で、このうち自動車と自動車部品は3分の1を占める。米政府は、エンジンなどの自動車部品にも5月3日までに25%の追加関税を課すとしている。日本の自動車業界は打撃を受け、相互関税も併せて国内経済全体に影響が広がる可能性がある。

野党から意見相次ぐ

首相官邸の発表によると、与野党党首会談には自民党総裁の石破首相のほか、公明、立民、日本維新の会、国民民主、共産、れいわ新選組の各党の代表者が参加する予定。野党幹部からは既に国内対策や対米交渉に関し、政府にさらなる対応を求める意見が相次いでいる。

国民の玉木雄一郎代表はX(旧ツイッター)に3日、株価下落に触れた上て、「急速に不確実性が高まっている。強力な経済対策が必要だ」と投稿。立民の重徳和彦政調会長は談話を発表し、石破首相自身がトランプ大統領に「強い覚悟をもってタフな直接交渉に臨むことが不可欠だ」とした上で、専任の閣僚を置くなど全省庁を挙げた強力な体制を早急に構築するよう求めた。

一方、加藤勝信財務相は4日、閣議後の記者会見で、米国の対応について「日米の経済関係あるいは世界全体の貿易体制に大きな影響を及ぼしかねないと懸念している」と強調。経済対策の策定に関しては、既に石破首相から国内産業・雇用への影響に関し、資金繰りなど必要な対策に万全に期していくとの指示があったと述べるにとどめた。

党首会談に先立ち、自民、公明両党は国民と幹事長会談を開き、米関税措置を受けた経済面などへの対応について協議した。国民の榛葉賀津也幹事長によると、自民の森山裕幹事長からは6月をめどにガソリン価格抑制策を打つとの回答があったという。

関税措置に関連し、朝日新聞は政府・与党が国民生活への影響にも配慮した経済対策を新たに講じる方針を固めたと4日報じた。予算規模によっては、2025年度補正予算案の編成を視野に入れるという。

自民も追加対策検討

自民の小野寺五典政調会長も4日、米国による一連の関税措置は日本や世界の経済に多大な影響を及ぼすもので「極めて遺憾だ」とした上で、政府に追加的な対応を求めていく考えを示した。

同日午前に党本部で開いた「米国の関税措置に関する総合対策本部」で発言した。小野寺氏は政府が既に発表した資金繰り支援策などに加え、「党としても現場の声をしっかり聞きながら議論を深め、さらなる対応について政府に申し入れをしたい」と述べた。会合では日本自動車工業会など業界団体からヒアリングを行った。

松本洋平政調副会長は会合後、出席者から「米国に対して対抗措置を取るべきではないかとの意見が若干出された」と明らかにした。補正予算の編成について具体的な話は出なかったとした一方、仮に輸出台数が減少することになれば、国内の需要喚起策が必要になるとの意見があったと話した。

米政府は日本時間3日、貿易相手国と対等の関税率を求める相互関税の詳細を発表した。午後には自動車への追加関税も発動した。日本に対する相互関税率は24%、自動車関税は25%となるが、ホワイトハウスによると、自動車と自動車部品は相互関税の対象からは除外される。

(石破首相の発言や自公国幹事長会談の内容を追加します)

--取材協力:横山恵利香、古川有希、広川高史.

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