トランプ米大統領は3日、仮に他国・地域が何か「驚くべき」ものを提示することができれば、関税引き下げにオープンであると語った。政権高官の一部が強硬姿勢を崩さない状況にあるものの、ホワイトハウスには交渉の用意があることを示唆した。

トランプ氏は大統領専用機での記者団への発言で、株価急落にもかかわらず自身の関税プログラムを総じて弁護。金利が低下していることをうれしく思うとともに、経済の乱調が収まると考えていると語った。

「関税はわれわれに交渉のための偉大な力を与える」と述べた上で、「あらゆる国がわれわれに接触してきている」と語った。

それは譲歩を考えているという意味かとの質問に対し、トランプ氏は「状況次第だ」と返答。「もし誰かが、何か驚くべきものを提示すると言って、彼らが何か良いものを与えてくれる限りはだ」とコメントした。

半導体・医薬品

トランプ氏は半導体と医薬品への輸入関税賦課の計画についても触れ、「近いうちに発表する。現在検討中だ」とも述べた。

4日のアジア市場では全般に株安が広がり、インドでは医薬品株の下げが目立った。米国と欧州の株価指数先物も下落。米10年債利回りは再び4%を下回る一方、ドルは下げ幅を拡大した。

トランプ氏が2日、世界の貿易相手国・地域に対し相互関税を課すと発表したのを受け、米景気悪化の懸念が広がって3日の米株式相場は急落。S&P500種株価指数は4.8%安と2020年6月以来の大幅下落となった。

さらに、小型株で構成するラッセル2000指数は21年終盤に付けた過去最高値からの下落率が20%を超え、弱気相場入りの目安とされる水準に達した。

トランプ氏は、関税の発表に対する市場の反応は予想されていたとし、「米国の市場は活況を呈すると思う。チャンスを与えなければならない。少し時間を与えなければならない」とも指摘。エネルギー価格下落と米10年債利回りの低下に言及し、それらをプラス材料と評した。

「私が望ましいと考えることの一つは金利が下がることだ。食料品価格、卵の価格が下がるのも好ましい。そして非常に重要なのはガソリン価格が下がっていることだ」と論じた。

トランプ氏はまた、字節跳動(バイトダンス)傘下の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業売却を中国が承認すれば、同国に関税軽減措置を提示する用意があるとあらためて表明した。

トランプ氏は1月の就任直後、売却の期限を当初の1月19日から4月5日に延長した。同氏がTikTok買収合意の取りまとめを促すため、期限を再延長するかどうかが焦点となる。

「ディール(取引)に非常に近づいている」と同氏は語った。ただ、中国側が関税とTikTokに絡んだアプローチを追求するかは「分からない」としている。

このほかトランプ氏は、関税の軽減を求める関係者と一日中協議したことを示唆。3日には自動車メーカー経営首脳のほか、イスラエルのネタニヤフ首相と話したことを明らかにした。経営首脳の名前は明かさなかった一方、ネタニヤフ氏が来週訪米する可能性があると話した。

大統領専用機で語るトランプ大統領

原題:Trump Open to Tariff Cuts in Return for ‘Phenomenal’ Offers (3)、Trump Says Market Response to Tariffs Was Expected (1)(抜粋)

(半導体や医薬品への輸入関税賦課の計画や4日の市場動向などを追加して更新します)

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