アジア太平洋地域の企業の合併・買収(M&A)の伸びは、1-3月(第1四半期)に米国と欧州を上回った。

アジア太平洋のM&Aは1-3月に前年同期比19%増。ブルームバーグ集計のデータによれば、米国は13%増、欧州は14%減だった。香港の長江和気実業(CKハチソン・ホールディングス)が米ブラックロックを含む企業連合への港湾売却を計画しているほか、セブン&アイ・ホールディングスはカナダのアリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けている。

ゴールドマン・サックス・グループの投資銀行担当グローバル副会長のラガブ・マライア氏は「アジアの企業や金融スポンサーは、過去3年間よりも積極的にM&Aを追求している」と指摘した。

同氏は取引規模の拡大が年内の明るい兆しになるとし、日本や韓国などのコーポレートガバナンス(企業統治)改革も域内のポジティブなムードを後押ししていると付け加えた。

ハチソンの港湾売却で投資銀行として単独アドバイザーを務めるゴールドマンは、今年の世界M&A助言のリーグテーブルで首位に立っている。

ただ、こうした数字は好材料であるものの、市場のボラティリティーや地政学的な混乱が若干の疑念につながっている。

モルガン・スタンレーのアジア太平洋M&A責任者、リチャード・ウォン氏は「企業は関税など新たな政治的措置が及ぼす影響や、それがグローバル事業にどのような影響を与えるかを見極めようとしている」とし、「一般的に、案件の実現にはより長い時間がかかっている」と述べた。

原題:Bankers Get Boost in Asia Pacific as M&A Growth Tops US, Europe(抜粋)

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