(ブルームバーグ):米メタ・プラットフォームズの人工知能(AI)研究責任者が退社する。メタがAI分野における積極的な投資と競争を目指す中で、重要ポストが空席となる。
メタのバイスプレジデント兼ファンダメンタルAIリサーチグループ(FAIR)責任者、ジョエル・ピノー氏は1日、退社を発表した。同氏は勤続8年で、2023年初めからFAIRチームを率いている。直属の上司はクリス・コックス最高製品責任者(CPO)。
FAIRは音声翻訳や画像認識技術、オープンソースの大規模言語モデル「Llama(ラマ)」などメタのあらゆるAI研究を統括。メタが「アドバンスド・マシン・インテリジェンス(AMI)」と呼ぶ人間レベルの機械知能の開発も手がけている。
ピノー氏は5月末まで同社にとどまる予定。同氏はカナダのモントリオールにあるマギル大学でコンピューターサイエンス教授も務める。

ピノー氏の退社は、AI分野でトップを目指すメタの取り組みに影響を及ぼす恐れがある。同社はAI製品や人材確保を巡りオープンAIやアンソロピック、イーロン・マスク氏率いるxAIなどと競合している。
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は今年1月、AIを自社の最優先事項とし、関連プロジェクトに最大650億ドル(約9兆7400億円)を年内に投じると表明していた。
メタの広報担当は、ピノー氏の後任はまだ見つかっておらず、引き続き探していると語った。さらに、メタはAI研究になおコミットしており、ピノー氏の退社に伴う計画変更はないとも述べた。
原題:Meta’s Head of AI Research to Leave, Roiling Investment Push (1)(抜粋)
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