世界の株式市場には「モンスター級」のマネー流入が続いており、全面的な貿易戦争が株式に及ぼし得るリスクは心配されていないと、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のマイケル・ハートネット氏が指摘した。

株式への資金流入が今年の最高に達した事実に加え、対米輸出国2強のドイツと中国で株価指数がトランプ氏の当選後に上昇している事実を挙げ、米政府が課す関税はリセッション(景気後退)を引き起こさないだろうと投資家が考えていることを示唆している。

「世界の投資家は米株あるいは世界の株式をショートにする状況から程遠い」とハートネット氏はリポートで述べた。

BofAのリポートが引用したEPFRグローバルのデータによれば、世界の株式ファンドには19日までの週に約434億ドル(約6兆4600億円)が流入し、今年の最高を記録した。

米政府が4月2日に相互関税を発動する計画は、センチメントには影響し始めるだろうとハートネット氏と同氏のチームは指摘。例として、米国に課される関税の税率大幅上昇を控え、カナダで中小企業の楽観を示す指数が過去最低を付けたことを挙げた。さらに債券と金は米株や国際株に比べ「関税パンデミック」の影響を「かなり受けにくい」ことが証明されるだろうとも述べた。

米輸入額に対する関税収入の比率

リセッション不安があらためて広がった先週、S&P500種株価指数は最高値から10%下げて調整相場に入った。21日の市場をマイナスで終えれば、週間ベースで5週連続安となる可能性がある。

原題:BofA Says Tariff Risk Dismissed as Stocks Get ‘Monster’ Inflows(抜粋)

--取材協力:Jan-Patrick Barnert.

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