(ブルームバーグ):ブラジルやサウジアラビアなどで多数の石油プロジェクトが年内に稼働し始めることで、新たな原油生産量は過去10年余りで最大となる見通しだ。
米金融サービス会社レイモンド・ジェームズのデータによると、新しい油田の生産量は2025年に日量約290万バレルと、2015年までさかのぼるデータで最大となる見込み。昨年は約80万バレルだった。大型プロジェクトには、カザフスタンのテンギス油田やブラジル沖のバカリャウ油田、サウジのベリ油田やマルジャン油田の拡張が含まれる。今年と来年の見通しには遅延や変更もあり得る。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスは、延期していた生産引き上げを4月に開始する見通しだ。これに加え、ガイアナやブラジルなどで新たな生産が始まることから、米エネルギー情報局(EIA)や国際エネルギー機関(IEA)は25年の供給超過を予想。さらにトランプ米大統領の通商政策が、世界のエネルギー需要減少に対する懸念をあおっている。

EIAは、今年の供給量が需要を日量10万バレル上回ると予想。IEAは日量60万バレルの供給超過を見込んでいる。レイモンド・ジェームズは生産量と消費量の全体的な予想を示していないが、供給が25年末に向け需要を日量28万バレル超過するとみている。
レイモンド・ジェームズのアナリスト、パベル・モルチャノフ氏は、「投資家は、25年にプロジェクトからどれだけの新規供給があるのか十分に把握していない」と述べた。
原題:Raymond James Sees Biggest Crop of New Oil Projects in a Decade(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.