(ブルームバーグ):ヘッジファンドの原油取引に産地別で乖離(かいり)が見られる。
米国産の値下がりを見込むポジションを縮小した一方、北海ブレントに対する弱気な姿勢は維持している。トランプ大統領の貿易戦争を背景に米国内は供給不足が懸念されるが、欧州の原油指標には産油国の増産見通しが影響する。
運用担当者は11日までの1週間に北海ブレントに対する正味のロング(買い持ち)ポジションを15万3285枚と、6140枚減らし、昨年11月以来の低水準とした。ICEフューチャーズ・ヨーロッパが先物・オプション取引について毎週発表しているデータで明らかになった。
北海ブレント原油市場はここ数週間で緩和の兆しを見せている。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が今月に入り、これまで数回にわたり延期していた生産引き上げを4月に開始する方針を示したことが背景だ。
OPECプラスは2026年までに合計で日量220万バレルの供給を増やす見通しで、北海ブレントの期近限月2つの間の価格差(プロンプトスプレッド)は1月後半の1.09ドルから52セントに縮小。供給拡大が近い兆候を示した。

一方、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)に対するロングは正味1万1879枚増え11万5762枚となった。
トランプ大統領が主要貿易相手国に関税賦課を繰り返し、この関税回避でカナダ・メキシコ産原油は米国以外に流れている。米国での不足分は国産で埋め合わせるという状況で、需給が短期的に逼迫(ひっぱく)するとの見方が強まった。
それでも、WTIのロングポジションはほぼ5カ月ぶりの低水準だ。トランプ氏の政治的駆け引きが世界経済の成長を妨げ、エネルギー需要を後退させるという懸念を浮き彫りにしている。
原題:Hedge Fund Bets on WTI, Brent Diverge as Trade War Roils Markets (抜粋)
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