トランプ米大統領就任以後の50日間において、最大級の勝ち組になりつつあるのが香港株式市場だ。

香港株の指標ハンセン指数は、トランプ政権2期目発足後に21%上昇し、世界トップクラスのパフォーマンスを記録。対照的に米S&P500種株価指数は約7%下落し、世界の主要株価指数ほぼ全てに劣る成績だ。

相関係数(90日)によると、両指数の動きは2000年のドットコムバブル崩壊以後で最も極端な開きとなっている。

トランプ大統領の貿易戦争や不安定な政策決定により米経済への信頼が揺らいでいる今、世界中の投資家が人工知能(AI)における中国の劇的な進歩に着目し香港市場に資金を投入。香港の証券取引所は6兆ドル(約887兆円)規模だ。

香港取引所は中国ハイテク企業の上場先として好まれており、世界で最も流動性の高い株式市場の一つであるため、恩恵にあずかる可能性が高い。

高裕証券のエグゼクティブディレクター、トーマス・イップ氏は「この瞬間を長年待ち望んできた」と述べ、「トランプ氏の政策は米株式市場に多くの不確実性をもたらした。不安が高まるにつれ、賢明な投資家はバリュエーションが低めで政策環境がより良い香港へと向かうだろう」と述べた。

世界からの資金流入増加を示す証拠として、JPモルガン・チェースがここ数週間で処理した通貨の香港ドルと中国人民元への換金は記録的な規模だという。クレジット・通貨・新興国市場セールス責任者セレン・チェン氏が明らかにした。

13日のハンセン指数は0.6%安。ハイテク銘柄中心のハンセンテック指数は1.7%下落した。

原題:Hong Kong’s Stock Market Booms With Wall Street in Turmoil (2)(抜粋)

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