(ブルームバーグ):資産家イーロン・マスク氏の上場企業、米テスラの株価はこの数カ月間に急落しているが、同氏率いる非公開企業はそうではない。
取引プラットフォームのキャップライトがブルームバーグに独占的に提供した新たな分析によると、昨年の米大統領選挙以降、マスク氏の非公開企業4社のバリュエーションは流通市場で計45%上昇した。
キャップライトはマスク氏の宇宙開発企業スペースX、脳インプラント開発会社ニューラリンク、トンネル掘削会社ボーリング、人工知能(AI)スタートアップ企業xAIについて、流通市場の取引データや買い手の関心といったシグナルを総合的に分析して、日々の取引価格を推計。それによると、xAIは昨年11月5日以来110%上昇し、ポートフォリオの伸びの大半を占めている。
米オープンAIの追撃を目指すxAIは、最近の資金調達ラウンドで750億ドル(約11兆1000億円)の評価額が見込まれていた。キャップライトの推計によれば、流通市場におけるxAIの評価額は3月10日時点で960億ドル。キャップライトの「イーロン・マスク・クロスオーバー指数」は、マスク氏率いるこれら4社とテスラへのアクセスを買い手に提供している。
ベンチャーキャピタルの支援を受けるスペースXなどのスタートアップ企業が株式公開を先送りしているため、流通市場での取引はシリコンバレーでますます盛んになりつつある。
キャップライトのハビエル・アバロス最高経営責任者(CEO)によれば、マスク氏の企業グループの中で、特にスペースXは直近の提示価格を上回る水準で買い取る用意のある投資家を引き寄せているという。
流通市場の別のプラットフォームであるオーグメントによれば、3月12日時点で、スペースXとxAIは大統領選後に2倍余りの上昇となった。
ただ、マスク氏の非公開企業4社全てが注目されているわけではない。ボーリングは同じ期間に7.8%値下がりしている。なお、同氏が2022年に買収・非公開化したX(旧ツイッター)は流通市場の動きが「非常に限られている」として、キャップライトは分析から除外した。

原題:Musk’s Private Companies Soar in Secondary Market Since Election(抜粋)
--取材協力:Katie Roof.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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