(ブルームバーグ):セブン&アイ・ホールディングスが、カナダのアリマンタシォン・クシュタールからの買収提案を拒否するとの一部報道を受け、セブンは4日、そのような事実はないとするコメントを発表した。
株主価値実現のため、クシュタールからの提案を含め、引き続き全ての戦略的選択肢を精査・検討するとセブンは説明。米競争法上の課題に対処できる案を実現できるどうかかを確認するため、セブンの特別委員会はクシュタールと建設的に協議を続けているとした。
複数の関係者によると、セブンは現時点で買収提案の可否について判断を下すのは難しいと見ている。米国で広く事業を展開するセブンをクシュタールが買収する場合の独占禁止法上の懸念に関する調査に時間がかかるとみられるからだ。これに対して、セブンの広報担当者は、競争法上の深刻な課題に対処しうる実行可能な案を実現できるかを確認するため建設的に協議を続けているとコメントした。
クシュタールからの買収提案を拒否し、自力での企業価値向上を目指す方針を固めたと、読売新聞が4日報道。セブン株は同日反落し、一時前日比12%安の1939円を付け、24年8月21日以来の日中安値となった。セブンのコメントを受けて、同社株は下げ幅を縮小した。
香港のヘッジファンド運営会社オアシス・マネジメントの設立者、セス・フィッシャー最高投資責任者(CIO)は、クシュタールが株主にとって実質的により良い提案をした場合、セブンが最善のガバナンスを遵守することを引き続き期待していると述べた。さらに、クシュタールのデューデリジェンス(資産査定)を可能にし、株主に決定させることが大事だとした。
(関係者による情報やフィッシャー氏コメントを追加しました)
--取材協力:松山かの子.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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