半導体デバイス開発を手掛ける米アレグロ・マイクロシステムズの買収に、同社より規模の大きい同業オン・セミコンダクターが関心を示している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

ブルームバーグ集計データによると、アレグロの筆頭株主はサンケン電気で、持ち分比率は約32%。3日の東京株式市場でサンケン電気の株価は一時約17%高となった。

非公開情報を理由にこれら関係者が匿名で語ったところでは、オン・セミは数カ月前からアドバイザーと共にアレグロ買収に向けて取り組んでいる。他にもアレグロ買収を目指す企業が現れる可能性もあるが、同社は買収されることにオープンな姿勢かどうか明らかにしていないという。

関係者らは、自動車関連事業の強化に関心のある半導体企業がアレグロ買収を検討する可能性があるとも述べた。

オン・セミの担当者はコメントを控えた。アレグロの担当者にコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。

アレグロの株価はここ1年間で約31%下落し、時価総額は約41億ドル(約6180億円)。オン・セミの株価も同じ期間に42%下げており、時価総額は198億ドル。

アレグロは先進的な半導体を開発しており、 同社の製品は自動車のエンジンや安全システム、データセンター、工場などで使用されている。オン・セミも自動車・産業・クラウドコンピューティングの各分野で使われる電力・センサー技術を開発している。

アナリストは、トランプ政権下で米電気自動車(EV)市場の伸び鈍化が見込まれることから、自動車向けチップメーカーの売り上げは圧迫される可能性があると指摘している。

原題:Allegro Is Said to Draw Takeover Interest from ON Semiconductor(抜粋)

--取材協力:Ian King.

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