(ブルームバーグ):セブン&アイ・ホールディングスで主にアジア地域のコンビニ事業展開を担うセブン-イレブン・インターナショナル(7IN)の若林健共同最高経営責任者(CEO)が27日、ブルームバーグのインタビューに応じ、今後は欧州を中心に積極投資して日本や北米に次ぐ柱を育てる考えを示した。
若林氏は、日本や北米を除く海外での利益を今後「10倍、それ以上にしていかなければいけない」と述べた。牽引役となった北米事業を引き合いに出しながら、7INの展開エリアは欧州やアジアなど幅広い地域に広がることから、潜在的な可能性は大きいと読む。
セブンがカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールの買収提案を退ける場合、自社の成長戦略の実効性を示し、株価を引き上げることで投資家を納得させなければならない。日米のコンビニ事業に次ぐ収益の柱を生み出すことは必須だ。
セブン創業家らが提案した経営陣が参加する買収(MBO)は、伊藤忠商事が出資を断念し頓挫した。クシュタールの傘下入りかあくまで単独かを特別委員会で検討するが、28日前場のセブン株終値は前日比1.4%高の2146.5円と、クシュタールが提示した1株18.19ドル(約2700円)を2割超下回る。
7INの進出エリア候補は欧州中心に17カ国ある。2030年に30の国と地域に展開する目標に向け、年2カ国のペースで出店する。店舗の拡大手法も従来のライセンス契約から、すでにサプライチェーンを持つ企業に出資する戦略に切り替える。多くは2割程度の出資比率となる見込みだ。若林氏は店舗や供給網の運営に関与して、今後は「リスクを精査してリターンも取っていく」と話す。
一方、17年に撤退したインドネシアについては、「市場の可能性や今後の成長性を考えれば何としても出したい地域」と述べ、新たな戦略での再挑戦に意欲を見せた。マレーシアでの新工場設立など、既に展開しているエリアでの投資も積極化する。
セブンは、グループ全体で30年度に世界で30兆円の売上高を目指す。5月に予定される株主総会に間に合う形で買収提案への対応を決める方向で、読売新聞は7つの施策を近く打ち出して自力での企業価値向上をアピールすることを模索していると27日報じた。
(更新前の記事で、第2段落からアフリカを削除しました)
(28日の株価で記事を更新しました)
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