明治安田生命保険が世界最大級の上場ヘッジファンドである英マン・グループと戦略的パートナーシップを締結したことが25日、ブルームバーグの取材で分かった。運用先多様化の一環として投資拡大を進めるプライベートクレジットなどのプライベート資産を対象に1500億円の運用を委託する。

明治安田の広報担当者はマンとの提携の事実関係を認めた。具体的にはマンが組成するファンドに対して、投資対象や期間、リスク管理などのニーズを伝え、商品によっては優先的に投資機会を得ることなどが含まれる。提携に基づき、2026年度までに500億円、中長期的にはさらに1000億円の投資を検討しているという。

国内大手生保は分散投資による収益源多角化の一環として、プライベートクレジットに注目している。利回りが比較的高い上、基本的に変動金利のためインフレに強いといった特徴がある。第一生命ホールディングスも1月、米プルデンシャル・ファイナンシャル傘下の運用会社からプライベートクレジットなどの商品提供を受けると発表。海外大手との資産運用における協業が進んでいる。

明治安田の24年12月末時点での運用資産残高は46兆5200億円。プライベート資産を含めたオルタナティブ(代替投資)資産への投資残高は公表していない。証券取引所などでは売買されない海外プライベート資産への投資を成長戦略の一つとして、26年度までの3年間の中期経営計画の期間中に約6000億円を投資する方針だ。

特に、投資ファンドなどが企業に直接融資するプライベートクレジットについては、プライベートエクイティー(PE、未公開株)などと比べて後発の資産クラスだとしてマンの運用力に期待する。

マンはプライベート領域での投資強化を図っており、明治安田から日本の投資家のニーズをくみ取ることで新興の資産運用会社の活用を含めて商品の多様化につなげる。

世界のプライベートクレジット市場は1兆6000億ドル(約240兆円)規模と19年から倍以上に拡大している。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始を受けて同市場には逆風が強まっているとの見方や流動性が乏しいなどのリスクもある。

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