人工知能(AI)スタートアップの米アンソロピックは、簡単な質問に対する速やかな回答か、あるいは人間の推論を模倣した時間を要する回答のどちらかをユーザーが選択できる新たなAIモデルを公開した。

新モデル「Claude 3.7 Sonnet(クロード3.7ソネット)」では、質問の複雑さに応じて、AIシステムが回答を導き出す時間を長くするか、あるいは短くするかをユーザーが選択することが可能となる。同社はこの新たなアプローチにより、競争が激化するAIセクターで存在感を示したい考えだ。

アンソロピックは無料・有料ユーザー向けに同モデルの提供を24日に開始したとブログに投稿。無料サービスでは当初、ユーザーのプロンプトに応答する追加のコンピューティング能力を使用できないという。

米オープンAIや中国のDeepSeek(ディープシーク)、イーロン・マスク氏の米xAIなどのAI企業がここ数カ月間に相次ぎ新たなモデルを投入している。

こうしたモデルは、質問に応答する前にこれまでよりも長い時間をかけて回答を導き出すことが可能で、このプロセスは通常「推論」と呼ばれている。テクノロジー業界は推論システムを次のAIフロンティアと位置付ける一方で、アンソロピックはユーザーがもう少し簡単なものを求める可能性もあるとみている。

アンソロピックの最高製品責任者(CPO)、マイク・クリーガー氏は推論システムについて、「われわれが本当に目指しているのは、この能力が妥当であれば円滑に導入できるようにする一方、妥当でなければ活用しないようにすることだ」とブルームバーグ・ニュースに対し述べた。

アンソロピックの共同創設者で最高科学責任者のジャレッド・カプラン氏によると、最終的には、質問に対する回答を導き出す時間を長くするか、あるいは短くするかの決定も自動化される可能性がある。

ユーザーがクロード3.7ソネットに回答を導き出すのにさらに時間をかけるよう要求した場合、「思考の連鎖」プロセスを詳細に記述したものが表示される。

これは、オープンAIやxAI、ディープシークも最近導入した設計上の選択だ。カプラン氏によれば、この方法により、ユーザーはモデルがどのように回答にたどり着いたのかより深く理解することができるほか、間違いがあればどこで問題が生じたかを確認できる。

アンソロピックは、人間の監視をほとんど必要とせずに、より複雑なタスクを実行できるソフトウエア、いわゆる「AIエージェント」と呼ばれる機能の開発に引き続き重点を置いているという。

同社は昨年、「computer use」と呼ばれる新機能を発表。この機能は、ユーザーがコンピューターの画面上で見ているものを解釈し、許可を得た上で、インターネットの閲覧や文字入力、クリックなどの操作をユーザーに代わって実行することが可能。クロード3.7ソネットにはこの機能が搭載される予定。

原題:Anthropic’s New AI Model Lets Users Decide How Much It Reasons(抜粋)

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