(ブルームバーグ):資産家ウォーレン・バフェット氏は22日、バークシャー・ハサウェイの投資家に向けた年次書簡で、日本の商社株保有を「時間をかけて」増やす可能性が高いとの見方を示した。
バークシャーは当初、伊藤忠と丸紅、三井物産、三菱商事、住友商事の株式保有率を10%未満で維持することで合意していた。しかしその上限が近づいているため、5社は「上限を若干緩める」ことに同意したという。5社の株式保有は「非常に長い期間」のものであり、これを「幾分か」増やす見通しだとバフェット氏は述べた。
8月の世界的な株価急落を経て、商社株は低迷。バフェット氏の買い増し意欲表明が浮上のきっかけになる可能性もある。昨年の書簡で、同氏が保有する大手商社5社について株主還元や役員報酬を称賛したところ、公表後の翌営業日には、三井物と三菱商の株価が最高値を更新していた。

また書簡では、各商社と将来において「生産的に」協力する他の方法を模索する意向も示された。
三菱商は書簡での言及を受けて、企業価値向上や開示の充実、ステークホルダーとの対話を一層強化すると22日にコメントした。また共同投資も含めて、バークシャーとの協業についても継続的に話し合っていると説明した。
バークシャーによる株式の取得以降、5大商社の間では投資家対応や配当政策への重要性が一層高まっている。一方、協業案件では伊藤忠による米アパレル・アンダーウェアブランド「フルーツオブザルーム」のマスターライセンス権取得などがあるが、明らかになっている案件は少ない。

バークシャーは大手商社5社の株式を平均で約8.1%保有。大量保有が初めて明らかになったのは2020年8月で、最大9.9%まで買い増す可能性を示唆していた。24年10月には新たな円建て社債を発行し、日本株への追加投資に期待が高まった。その後バークシャーによる日本株の大量報告書は出ていない。
そのほかの言及
- 商社5社は「適切な時期に」配当を引き上げ、「妥当と判断される」時期に自社株買いをしていると評価
- バークシャーの投資コスト総額は2024年末時点で138億ドル(約2兆600億円)
- 時価総額は総額235億ドル
- 日本投資による配当収入は2025年に約8億1200万ドル(約1200億円)を見込む
原題:Berkshire Likely to Raise Stake in Japanese Trading Houses (1)(抜粋)
(グラフを入れて更新します)
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