(ブルームバーグ):フランスの小売り大手カルフールの株価が20日、2020年5月以来の安値で取引を終えた。利益が期待に届かなかったほか、仏政府の課税措置を理由に自社株買いを実施しないと発表したことが響いた。
19日遅くの発表によると、24年の営業利益は22億1000万ユーロ(約3490億円)で、アナリスト予想を下回った。25年のEBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)、経常営業利益、ネットフリーキャッシュフローについては「小幅な伸び」にとどまるとし、アナリスト予想よりも低い見通しを示した。
同社株は前日比8.8%安で終了。年初からは約9%下げている。

カルフールは自社株買いを見送る代わりに総額1億5000万ユーロの特別配当を実施する。同社は先週、ブラジル子会社アタカダンの未保有株式を取得する計画を発表。今回の決定はバランスシートを「守る」ことにつながると述べた。
マチュー・マリージュ最高財務責任者(CFO)はアナリストとの電話会見で、「現在フランスで自社株買いに対して適用される財政圧力にわれわれは適応しようとしている。株主還元は、ブラジルの少数株主持ち分の買い取りから見込まれるキャッシュアウトとともに、ステークホルダー間の良好なバランスと強固なバランスシートの維持につながる」と語った。
原題:Carrefour Hits 2020 Low as Taxation Prompts Buyback Halt (1)(抜粋)
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