2月第4週(25-28日)の債券相場は長期金利の上昇(価格は下落)が一服しそうだ。日本銀行の植田和男総裁が21日の国会答弁で国債買い入れ増額に言及したことが、最近の金利上昇へのけん制と受け止められたためだ。

市場参加者の見方

◎東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジスト

  • 植田総裁の発言を受けて、先物や各ゾーンの現物債が売られる投機的な動きは一段落するだろう。ショート(売り持ち)勢は予想外の発言で痛手を被ったとみられ、金利上昇はいったん止まるのではないか
  • もっとも、植田総裁は一般論を述べただけで、ほとぼりが冷めれば利回りが再び上がっていくとの見方が強まる可能性がある
  • 長期金利の1.4%台後半では金利上昇は緩やかになるとみられ、21日午前に付けた1.455%は超えない可能性
  • 新発10年国債利回りの予想レンジは1.395-1.455%

◎ アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎債券ストラテジスト

  • 日銀の追加利上げを織り込む相場が続くとみている。長期金利1.5%の水準で打診的な買いが入るか、慎重姿勢が続くのか、投資家需要を見極める展開
  • 1.5%は心理的な節目で、滞空時間が短かった1.3%や1.4%とは違ってサポートが期待できるとみており、いったん上昇が止まるのではないか
  • 2月の東京都区部消費者物価指数(CPI)は予想外に強くならない限り、日銀の内田真一副総裁の講演を翌週に控えて強い売り材料にはならないとみている
  • 新発10年国債利回りの予想レンジは1.40-1.50%

国債入札

日銀買い入れ

主な材料

  • 26日:日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標
  • 27日:2024年10-12月(第4四半期)の米国内総生産(GDP)改定値
  • 28日:2月の東京都区部CPI
  • 28日:日銀、3月の国債買い入れ予定
  • 28日:1月の米個人消費支出(PCE)価格指数

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