(ブルームバーグ):来週の円相場は一段と上昇しそうだ。日本銀行の早期利上げに対する警戒感が根強く、円を買う流れが継続すると予想されている。米国の財務当局の長期金利上昇を抑制しようとする姿勢もドル売り要因となり、円高を後押ししやすい。
市場関係者の見方
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長
- 日銀の利上げ姿勢を受けた円買いに加え、ベッセント米財務長官の長期金利上昇を抑えるようなメッセージがドル売りとなり、円高方向か
- 3月5日の内田真一副総裁の講演を待ちつつ、引き続き日銀からの情報発信に注意したい
- 植田和男総裁の国債買い入れ増額への言及は、長期金利上昇や円高による株安への配慮かもしれないが、それでは金融政策の正常化は進められないだろう
- 円は1ドル=148円50銭-152円程度のレンジが予想され、昨年12月の148円65銭が目先の高値の目安
大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジスト
- 円は上昇余地を探る展開が続く。20日の植田総裁と石破茂首相の会談は米国との貿易交渉で指摘されやすい円安の修正が話し合われた可能性もあり、日銀は利上げ継続との判断になりやすい
- 円高がかなりの勢いで進んでいるため、利益が十分乗っている円キャリー取引の巻き戻しも入っているだろう
- 昨年9月の高値(139円58銭)から1月安値(158円87銭)の半値戻しの149円23銭がめどで、そこを上回ると148円65銭が視野に入る
来週の主な予定
- 26日:主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(南アフリカ、27日まで)
- 27日:2024年10-12月期の米国内総生産(GDP)改定値
- 28日:2月の東京都区部消費者物価指数(CPI)
- 28日:1月の米個人消費支出(PCE)価格指数
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