1月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、前年比の伸びが3カ月連続で拡大し、2023年6月以来の高水準となった。米などの食料品やエネルギーの価格上昇が全体を押し上げた。追加利上げを模索する日本銀行にとって追い風となりそうだ。

総務省の21日の発表によると、コアCPIは前年比3.2%上昇と市場予想(3.1%上昇)を上回った。3%台は2カ月連続で、日銀目標の2%以上となるのは34カ月連続。生鮮食品を除く食料が5.1%上昇、エネルギーもガソリン補助金縮小で10.8%上昇に伸びが加速した。生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは2.5%上昇と3カ月ぶりに伸びが拡大した。

日銀の1月利上げ以降も、政策委員による追加利上げに前向きな発言や良好な経済指標が続いており、市場では次の利上げのタイミングを想定より前倒しする動きが出ている。日銀の目標を上回る物価上昇が続く中、今回の消費者物価の強めの内容は、利上げを支援するさらなる材料と言える。

みずほ証券の片木亮介マーケットエコノミストは、基調的な物価自体は2%を達成するのに十分には高まっていないが、財のインフレに加速感も見られ、「全体的なインフレ率が2%を上回って推移する状況はしばらく続きそうだ」と指摘。日銀が物価情勢はオントラック(想定通り)として利上げできる期間はもうしばらく続くとし、「7月か9月の利上げの可能性が高い」と語った。

コアCPIを上回る伸びが続く総合指数は4.0%上昇と伸びが拡大した。4%台は23年1月の4.3%上昇以来、2年ぶり。生鮮食品が21.9%上昇と04年11月以来の高い伸びとなり、押し上げに最も寄与した。植田和男総裁は12日の国会答弁で、生鮮食品を含む食料品の値上がりは必ずしも一時的ではないとし、消費者心理やインフレ期待に影響するリスクも考慮して政策運営を行う考えを示した。

賃金動向を反映しやすいサービス価格は1.4%上昇となり、前月の1.6%上昇からプラス幅が縮小した。外国パック旅行費が価格収集方法の変更の影響で前年比で下落したのが要因。一般サービスの外食や家事関連サービスなどでは人件費を含む各種費用の拡大を背景に上昇した。

ブルームバーグ・エコノミクスの見方

「1月のCPIを踏まえ、日銀は2%物価目標の安定的な達成に向けた自信を深めるだろう。これは、日銀が今年さらに利上げを進めるというブルームバーグ・エコノミクスの見解と一致している」

木村太郎シニアエコノミスト

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コアCPIの伸びが予想を上回ったことを受けて、円相場は対ドルで一時149円29銭と昨年12月3日以来の高値を付けたが、その後は150付近に戻して推移している。

総務省の説明

  • コアの最大の押し上げ要因は生鮮食品を除く食料。米類全体では前年比70.9%上昇で、過去最大の上昇幅
  • 生鮮食品はキャベツ、ネギ、ハクサイ、ブロッコリー、ミカンなどの価格が前月から上昇
  • 電気代と都市ガス代は、足元の資源価格の下落を受けて前月比で下落。前年に政府の激変緩和措置が行われていた反動で前年比では上昇

(総務省の説明を追加して更新しました)

--取材協力:氏兼敬子.

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