不正薬物や偽ブランド品など、海外からの違法な輸入が増加しています。偽ブランド品の主な輸入元は「中国」。その中国にある、コピー品を販売・製造する村を取材しました。

箱いっぱいに詰められたキャンディーと思いきや、実はこれ、飴のような状態にして包み紙でラッピングされた「大麻」なんです。

財務省によりますと、空港や港湾の税関で摘発された密輸事件で、去年1年間に押収された覚せい剤などの不正薬物は2579キログラムにのぼるということです。

2年連続で2トンを超え、過去3番目の量となっています。

不正薬物では、▼大量に積まれた本物のブルーベリーの中に覚せい剤を隠し、機械に検知されにくくした事例があったほか、▼成田空港に到着した旅行客がコカインを飲み込み、体内に隠して持ち込もうとした事例まであり、財務省は「手口は確実に巧妙化している」と警戒を強めています。

また、中国からニセモノのユニフォームや偽ブランドのネックレスの密輸入事件も告発されたということです。

知的財産を侵害した、いわゆる「ニセモノ」をめぐっては、去年上半期に輸入を差し止められた件数が過去最多となっていて、国別では中国が最も多い状況です。

不景気が続く中国では、偽ブランド品の人気が若者を中心に高まっているといいます。

ここは、中国中部の河南省にある桑坡村。偽ブランド品の製造・販売で有名です。村の中心部には数千もの衣料品店が立ち並び、大勢の買い物客で賑わっています。

店員
「(Q.これ偽物ですか)そうです。(Q.本物と同じですか)90%は同じです」

商品のほとんどが偽ブランド品です。

店員
「(Q.本物ですか)“復刻版”ですよ」

記者
「いろいろありますが、ロゴは本物そっくりですね」

取材したおととしの時点では、本物だと日本円で数十万円するダウンコートが、わずか4000円ほどの金額で売られていました。


「全部、価格が安くていいですね。質もいいですし」

もちろん、中国でも偽ブランド品の製造・販売は違法で、店は営業停止などの処分を受ける可能性があります。

至るところに「偽物を無くそう」と書かれた横断幕が掲げられ、当局による取り締まりも行われています。

しかし、販売される偽ブランド品の種類が年々増えていて、村を訪れる卸業者や買い物客も増加の一方。遠い街から訪れる人も珍しくなく、わざわざ飛行機に乗って来る客もいるということです。

中国メディアは、この村について「模造品の流通センターになっている」と報じています。