米私立校の学費が過去最高に達した。インフレ圧力で教育機関が授業料を値上げしているためだ。

S&Pグローバル・レーティングが12日公表した同分野に関する年次報告書によると、年間授業料は通学制の学校が平均で約7.4%増の4万9284ドル(約760万円)、全寮制の学校は約5.3%増の7万3080ドルだった。通学制の学校の増加率は少なくともここ10年間で最大となった。同データはS&Pが格付けしている独立系学校53校を対象としている。

授業料の高騰は、新型コロナウイルス禍の期間に学校が授業料の値上げを控えていたことも一因だが、インフレ圧力により教師の給与や教材費などのコストが増加し、学生に負担増を求める必要に迫られていることが背景にある。

S&Pのアソシエイトディレクター、アレクサンダー・エンリケス氏は、「各校は授業料を低く抑えることで市場シェアを失わないように努めていた」と指摘。「学校側から価格設定をコントロールできるという感じがある」と述べた。

学費は高騰しているものの、私立校の教育に対する需要は強い。2024年秋の入学者数が前年比で増加した学校の割合は約60%。増加率が3%を超えた学校の割合は8%だった。

原題:US Private School Tuition Nears $50,000 as Inflation Lifts Costs(抜粋)

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