中国・深セン市で日本人学校の男子児童が登校中に襲われ死亡した事件からきょうで1年です。一方、きょうから中国で旧日本軍の「731部隊」を題材にした映画が始まり、反日感情の高まりが警戒されます。

満州事変のきっかけとなった「柳条湖事件」。それから94年にあたる9月18日のきょう、中国東北部・遼寧省で式典が開かれ、およそ1000人が参加しました。

一方で、きょうは南部の広東省・深セン市で、日本人学校に通う当時10歳の男子児童が登校中に男に刃物で襲われ死亡してから1年にもあたり、市内では…

記者
「日本人学校の周辺では、多くの警察官が警戒にあたっています」

事件をめぐっては、日本人を狙った可能性も指摘されていましたが、動機は不明確なまま、男の死刑は執行されました。

記者
「深セン市の日本人学校はきょうとあす休校のため、登校時間になっても子どもの姿はありません」

日本人学校に子どもが通う親は…

深センの日本人学校の保護者
「(休校中は)自宅で待機している。外で何かあってもいやですから」

事件後はランドセルをリュックにかえるなど、わが子の安全のためにできる対策はしてきましたが、限界があると嘆きます。

深センの日本人学校の保護者
「手を離さないで歩くとか、子どもだけが先に行くとか、離れるというのは、なるべくないようにしています。それぐらいしか(できることが)ない」

一方、中国外務省は先ほどの記者会見で、「日本を含む各国の人たちが中国に来ることを歓迎し、外国人の安全を守っていく」と述べ、安全性をアピールしました。

こうした中、きょうから中国で公開されているのが…

「こいつらを外に出すべきではない」

映画「731」。日中戦争中に旧満州、今の中国東北部で細菌兵器を製造し、人体実験を行っていた旧日本軍の「731部隊」を題材にした映画です。当初は、7月31日に公開予定でしたが延期となり、柳条湖事件が起きた日のきょう、封切りとなりました。

記者
「こちらの映画館の初回は『9時18分』からとなっています。きょうの日付に合わせたものとみられます」

中国メディアによりますと、公開初日のきょうの時点で、この映画の興行収入は40億円を突破したということです。

映画「731」を見た人
「怒りを感じた。日本人には憎しみと恨みしかない」
「『国の恥を忘れるな』という気持ちです。当時、中国が弱く虐げられたことに胸が痛みます」

映画の公開などを受け、北京の日本大使館は「反日感情の高まりに特に注意する必要がある」として、警戒を呼びかけています。