(ブルームバーグ):米オープンAIのチャットボット「ChatGPT(チャットGPT)」は、スマートフォンの人工知能(AI)アプリ・サービスへの支出急増をけん引している。
この画期的なチャットボットは2023年5月にモバイルアプリとしてリリースされて以来、5億2900万ドル(約817億円)を売り上げており、市場調査会社アップフィギュアズの最新リポートによると、売上高2番目のアプリの約4倍に上る。
アップフィギュアズによれば、AIアプリ支出は24年に前年比でほぼ4倍の14億ドルに達し、10-12月(第4四半期)に加速した。25年には20億ドル超に拡大する見通しで、市場のけん引役はこれまでのAIアプリ販売の約半分を占めた米国の消費者だという。
アップフィギュアズの調査によると、AIアプリのカテゴリー別では、ChatGPTや世界的に大きな話題となったDeepSeek(ディープシーク)などのアシスタントアプリが圧倒的な人気を誇る。
過去2年間のAIアプリのダウンロード数トップ10のうち八つと、売上高トップ10に入ったアプリ全てがチャットボットだった。昨年7月以降、ChatGPTの売上高は毎月、アップルの「iPhone」用アップストアとアルファベットのアンドロイド端末用アプリストアにおける他の人気アシスタントアプリの収入合計を上回っている。
ディープシークの登場でChatGPTの成長に疑問が投げかけられる可能性もあるが、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は「新たな競合相手が現れたことは活性化につながる」と述べた。
アルトマン氏や、半導体メーカーのエヌビディアも含む業界のリーダーらは、ディープシークがAI分野全体により多くの注目を集め潜在的により多くのユーザーを獲得するとみる。アルトマン氏はオープンAIが今後投入する製品の一部のリリースを前倒しする方針も示した。
AIインフラに多額の投資を行ってきたオープンAIやマイクロソフト、メタ・プラットフォームズなどの企業にとって、収益化の難題は未解決のままだが、少なくともスマートフォン利用者は新しいソフトウエアにアクセスするため金を払うことに一段と前向きな姿勢を見せている。
原題:Mobile AI Apps Are Now a $2 Billion Market Led by OpenAI(抜粋)
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