(ブルームバーグ):不動産開発で成功した億万長者、スティーブン・ロス氏は、南フロリダの一角を金融とテクノロジーの才能ある人材を引きつける地域にする計画の一環として、パームビーチ郡での私立学校新設を支援している。
ロス氏は、学校運営会社エレベーテッドEDと協力し、ウェリントンの自治体が所有する公有地だった70エーカー(28ヘクタール)の土地に、幼稚園から12年生(高校3年生)までを対象とする非営利の教育機関を開校する。一部区画には小売店、住宅、ホテルを建設し、残りを学校用地とする予定。
同氏は質の高い教育環境がこの地域に多くの住民を呼び込む鍵だと考えている。
「素晴らしい学校がなければ、人々をここへ移住させることはできない」と、ロス氏はマイアミビーチで開催されたアイコネクションズ・グローバル・オルツ会議で指摘。「われわれは成長に必要なものを本当に理解し、それを積極的にこの地域にもたらそうとしている」と語った。
ウェリントンの自治体は公共用地をロス氏と学校に、合わせて4700万ドル(約73億円)で売却することで合意したと、ロス氏の会社、リレーテッド・ロスの広報担当者が述べた。ロス氏は3100万ドルを支払い、15万平方フィート(1万4000平方メートル)の土地に小売店とレストラン、最大500戸の住宅、ホテルを建設する予定だという。
学校側は1600万ドルを支払い、残りの区画を占めることになる。ロス氏によると、およそ3年後に開校する見込み。
マンハッタンのハドソンヤードなどの大規模プロジェクトで知られるロス氏は、近年はウェストパームビーチ地区に重点を置いている。
2021年に南フロリダに移住し、最終的にはニューヨークに本社を置くリレーテッドの日々の経営から退き、フロリダでの開発に専念するためにリレーテッド・ロスを率いることになった。
しかし、南フロリダを金融とイノベーションの世界的な中心地にしたいというロス氏の夢には、インフラ面での課題がある。この地域に新たにやってきた富裕層が不満に感じていることの一つは、質の高い学校や大学が限られていること、そして質の高い医療の選択肢が足りないことだ。
オフィスや住宅の大型プロジェクトを展開しているロス氏は、バンダービルト大学をウェストパームビーチに誘致する取り組みや、クリーブランド・クリニックにこの地域に新しい病院を開設するよう説得する上で重要な役割を果たした。
原題:Billionaire Ross Lures Private School to Florida as Wealth Booms(抜粋)
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