(ブルームバーグ):米連邦公開市場委員会(FOMC)は28、29両日に開催した定例会合で、主要政策金利のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジを4.5-4.75%に据え置くことを決定した。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は記者会見で、FOMCは利下げを急いでいないと指摘した。
これについての市場関係者の見方は以下の通り。
◎ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏:
- 米連邦公開市場委員会(FOMC)による今年の利下げは1回が「基本シナリオ」で、最大で2回だろう
- 金利はピークに達していない思う
- インフレ率は簡単には2%に戻らないだろう
- トランプ政権下で赤字が改善するとは思わない
◎プリンシパル・アセット・マネジメントのシーマ・シャー氏:
- 市場は既に、FOMC声明からインフレに関する進展の文言が削除されたことをタカ派的シグナルと受け止めている。確かに、インフレ改善の停滞は、現時点では利下げが差し迫った要件でないことを意味し、利下げ休止は妥当だ
- だがガイダンスの観点では、米金融当局は単に、データと展開される新政権の政策に対応しようとしているだけなのが現実だ。関税政策など政府の政策の不確実性が非常に高いこうした時期に、彼らに予測する力はない。明確な方向性が出てくるまで政策金利を据え置くことは賢明だ
- とはいえ来月に2カ月連続でインフレ率が軟調となり、かつ雇用の伸びが若干弱まる場合は、当局者の発言からハト派的なトーンが再び聞こえてくるかもしれない
◎トレードステーションのデービッド・ラッセル氏:
- 声明は若干タカ派的な内容だったが、政策当局者は3月会合まで長く据え置く姿勢だ。それまでの間のデータが、次の大きな決定を方向付けるだろう
◎バンクレートのグレッグ・マクブライド氏:
- 2%のインフレ目標に向けた進展は停滞しており、米金融当局もそれを認識している。政策声明に次回3月の会合で利下げが再開される可能性が高いことを示す手掛かりは示されなかった。そこへ到達するには良好なインフレデータが続く必要があるだろう
◎ジュピター・アセット・マネジメントのマシュー・モーガン氏:
- 相対的に世界で突出する米経済の力強さ、ドル高、世界的な政策の乖離(かいり)は、米国の消費や雇用、住宅市場が冷え込み始めつつあるかもしれない時期に、不安定な状況を生み出す可能性がある。ボラティリティーは今後も継続すると予想され、経済のサプライズに対するヘッジ手段として足元の水準の国債には妙味がある
◎ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのリンゼイ・ロズナー氏:
- 一時停止ボタンを押した。緩和サイクルはまだ終わっていないと当社では考えているが、FOMCは次の利下げに踏み切る前にインフレデータのさらなる進展を確認したいと考えている。インフレ抑制の進展に関する文言を削除した事実がそれを如実に物語っている
◎エバコアISIのクリシュナ・グーハ氏:
- FOMCは予想通り1月の利下げを見送ったが、当社や市場が予想していたよりもタカ派的な据え置きだった。1月の声明には据え置き期間が長期化する可能性を示す変更が加えられ、追加利下げを検討するためには最低限インフレでの持続的な進展の再開が必要だと示唆された
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.