(ブルームバーグ):欧州最大級の独立系石油会社を所有する一族が多角化を目指し、高級不動産やダイヤモンド、衣料品事業への投資を拡大している。
フランスのペロド家は、家長だった故ユベール氏が石油会社ペレンコを設立した一族で、規制当局に最近提出された書類やウェブサイトの情報によると、ニューヨークのソーホー地区にある2100万ドル(約32億6400万円)のオフィス兼集合住宅ビルや、イタリア料理の加工食品、スペインの高級不動産など、さまざまな資産に投資している。
ペロド一族は半世紀前にアジアで始めた海洋サービス会社を世界的な石油・ガス生産企業に成長させた。ペレンコは大手石油会社から採算の合わない油田や古い油田を買い取り、それらの採算性を高めることに特化している。
同社はバハマ諸島のオフショア持ち株会社によって管理されている。会長のフランソワ・ペロド氏(47)は、ユベール氏の長男で、熱心な自動車レースドライバーでもある。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、一族の純資産は80億ドル余り。

資産はロンドンを拠点とするファミリーオフィス、BNFキャピタル、プライベートエクイティー(未公開株、PE)投資会社のペルウィン・アドバイザーズ、ルクセンブルクの不動産開発会社クロノスを通じて投資されている。
ペレンコの広報担当者はコメントを控えた。
同社は、石油生産を中心としながら天然ガスや探査などの分野にも事業を拡大した。
これに対し、2代目のペロド一族は近年、事業収益をさまざまな分野に投資し、バッテリーメタル、ウラン、ブドウ園などの関連事業にも携わっている。
BNFキャピタルは昨年、ワークアウトウエアやカジュアルウエアのブランドであるバンディエと、カーボン38を傘下に持つBCブランズに投資。ニューヨークのソーホー地区にあるビルや、イングランド南西部ブリストルに3700万ポンド(約71億5900万円)を投じて開発したオフィスビルなど、不動産への投資も強化している。
クロノスはスペインとポルトガルに照準を定め、アンダルシアやアルガルベなどの観光地の住宅やバレンシアの高層ビルなどの開発を手がけている。
ウェブサイトによると、ペルウィンの最近の投資先には、ジュエリーや時計用の小粒の宝石を専門とするパリの高級ブランド、ルベル&メナシェ、英国でピザやアイスクリームを販売するクロスタ&モリカなどがある。
原題:French Oil Clan Diversifies Into Luxury Real Estate and Diamonds(抜粋)
--取材協力:Devon Pendleton.
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