トランプ米政権で暗号資産と人工知能(AI)の責任者に起用されたデービッド・サックス氏は28日、中国のスタートアップ(新興企業)DeepSeek(ディープシーク)が米オープンAIのモデルのアウトプットを参考に技術を開発した「相当な証拠」があると述べた。

サックス氏はFOXニュースのインタビューで、ディープシークの取り組みについて「オープンAIのモデルから知識を蒸留(別のモデルのアウトプットを訓練目的で利用し同等の能力を開発する技術)したという相当な証拠がある。オープンAIはこれについてあまり満足していないと思う」と語った。

サックス氏は「相当な証拠」の詳細については説明しなかった。オープンAIは、コメントの要請にすぐには応じなかった。

ディープシークは先週、新たなオープンソースのAIモデル「R1」をリリースした。同社は「R1」の性能について、業界のさまざまな比較基準で米国の主要開発者に肩を並べるかそれを上回る一方で、開発コストははるかに低いと主張した。

ただ、テクノロジー業界では、ディープシークの技術構築方法について頭を悩ませ、同社の主張の一部に疑問を抱く向きも多い。

オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は、同社の従業員に対し、ディープシークのパフォーマンスがオープンAIのモデルを蒸留した結果なのか、そうだとしたらそれがどの程度なのかを同社が把握しようとしていると説明していたと、事情に詳しい関係者がブルームバーグに以前に明かした。

サックス氏はまた、FOXニュースとのインタビューで、AIの主要企業が第三者による蒸留を阻止できれば、「模倣モデル」の開発を遅らせられるだろうと語った。

原題:AI Czar Sacks Says ‘Evidence’ DeepSeek Leaned On OpenAI’s Models(抜粋)

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