(ブルームバーグ):かんぽ生命保険の野村裕之執行役員兼運用企画部長は、長期金利は年内に1.5%近くまで上昇し、機関投資家だけでなく事業会社や個人投資家の需要を喚起するとの見方を示した。
野村氏は28日のインタビューで「日本の金利がぐっと上がった時こそチャンス。みんな買い場を狙っている」と述べた。日本銀行の利上げペースが上がらない限り長期金利が1.5%台で定着するのは難しいものの、「1.4%程度までの上昇はあり得る。1.5%を背中に見ながら推移する」とみている。
日銀が政策金利を0.5%へと17年ぶりの水準に引き上げ、長期金利の先高観が強まっている。今後も半年に1回のペースで利上げが行われるとの見方が多く、1%まで引き上げられれば長期金利は1.5%が視野に入る。金利商品の魅力が増して需要が高まり、円安にブレーキがかかる可能性もある。
野村氏は日銀の追加利上げについて「人手不足や賃金上昇など過去にない現象が起きており、こうした傾向に大きな変化がなければ半年後くらいに確実にできるだろう」と話した。
外債への投資については「内外金利差がまだ大きく、ヘッジコストが非常に高いため、新規にどんどん増やすことはない」と語る。一方で、国内の長期金利が1.5%手前まで上昇すれば「生保を含む機関投資家や事業会社も利回り水準に敏感になる」と読む。
為替は円高想定
長期金利の上昇で金利商品の魅力が高まると、安全資産を志向する高齢者など個人投資家の個人向け国債などの購入が増え、「特に年限が短い国債相場を落ち着かせる要因になるかもしれない」と野村氏は期待する。
為替相場は円高を想定。「金融市場は米国の景気やリスク資産にかなり楽観的だが、どこかで調整局面に入り、1ドル=140円くらいで定着するのではないか」と話した。
超長期金利は年内、「30年債で2.3%程度と、今とそれほど水準が変わらないだろう」と言う。足元は「保険商品の販売状況を見ながら10-30年の国債、国内社債、通貨スワップを使って円金利化した外債など、為替リスクを取らない投資を着実に進めており、あまり相場観を入れない形で投資している」と説明した。
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