ソニーグループは29日、十時裕樹社長(60)が4月1日付で最高経営責任者(CEO)を兼任する人事を発表した。吉田憲一郎会長兼CEO(65)は代表権のある会長職に専念する。

十時氏は早稲田大卒業後、1987年にソニー(当時)に入社。財務畑を長く歩み、ソニー銀行の設立やソネットエンタテインメント(現ソニーネットワークコミュニケーションズ)などの事業にも携わった。子会社勤務を経て2013年にソニー本体に復帰。18年4月にCFOに就任して吉田氏を支え、23年4月にソニーGの社長に昇格、最高財務責任者(CFO)も兼務していた。

十時氏

十時氏は社長就任時から「成長にこだわる」と繰り返し、地政学リスクなど環境変化へのレジリエンス(復元力)を高めていくことに注力してきた。吉田氏が進めてきたゲーム、音楽、映画のエンターテインメント事業強化路線も引き継いだ。

22年3月期以降は年間の営業利益が1兆円の大台を超え、今期(25年3月期)も前期比8.4%増の1兆3100億円を見込んでおり、株価は就任以降で50%近く上昇している。

昨年春に発表した27年3月期を最終年度とする中期経営計画では、金融事業を除く営業利益の年平均成長率について10%以上を目指すとしていたほか、戦略投資として前中計を上回る1兆8000億円の枠を設けた。

同社は同日、グループ会社のソニー・インタラクティブエンタテインメント社長に西野秀明氏、ソニーセミコンダクタソリューションズ社長に指田慎二氏が昇格する人事も発表した。

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