(ブルームバーグ):JPモルガン・チェース最高経営責任者(CEO)のジェイミー・ダイモン氏は、ウォール街で最も影響力のある経営幹部として知られる。その同氏が言及したことで投資家の関心が集まり、スイスの歯科治療製品開発企業が一躍有名になった。
ダイモン氏は12日、JPモルガンのヘルスケア関連会議前の祝賀ディナーで、歯科治療会社vバルディスの創業者姉妹ヘイリー・アビバルディ、ゴリー・アビバルディ両氏と歓談した。
姉妹は強い印象を残したとみえ、ダイモン氏は翌日の基調講演で2人のビジネスを取り上げた。ダイモン氏はvバルディスの「ドリルを使わずに虫歯を治療する驚くべき技術」を称賛し、「イノベーションの力を示すものだ」と述べたと、姉妹は語った。
それ以来、資金調達を模索する同社には問い合わせが殺到し、興味を示す投資家の数は「倍以上」に増えたと、ヘイリー氏がインタビューで明らかにした。同社が調達を希望する金額には言及を避けた。
「私たちは感動している。本当に極めて大きな関心を頂いている」と語った。
vバルディスは初期虫歯の治療製品を開発している。同社の「キュロドント」ブランドの治療薬は、洗口液とジェルを使用し、虫歯に浸透して歯のエナメル質を再生させる。
「歯科医が3つの詰め物を施すには2時間かかるが、歯科衛生士が5分で3つの詰め物を施せば、歯科医はより大きな治療に時間を割くことができる」とヘイリー氏は説明。「これは誰もが得するやり方だ」と述べた。
突然の関心の高まりは、ヘルスケアの専門家ではないにもかかわらず、ダイモン氏が投資家に対して持つ影響力の大きさを浮き彫りにしている。
「JPモルガン・ヘルスケア・カンファレンス」ではしばしば、大手・中小の製薬会社がその年の優先事項を発表し将来の取引の基礎を築く。
4日間にわたって開催されるこのイベントは、ヘルスケア業界のスーパーボウルとも呼べるもので、誰と会い、何を話し合うかによって、その後の1年間の方向性が決まる。
vバルディスの創業者たちは、新たに調達した資金をマーケティングや新製品の開発、そしてスタッフの増員に充てる予定。同社の年間売上高は、4、5年後に10億ドル(約1560億円)に達する可能性があるとヘイリー氏は述べている。
原題:Jamie Dimon Praise Floods Dental Firm With Investor Interest (1)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.