フランスのシャンパーニュ地方特産のスパークリングワインであるシャンパンの出荷量が2024年に2年連続で減少した。高級品への支出が鈍化する中、シャンパンの購入にお金を惜しまない消費者が減少したためだ。

同国の生産者を代表する業界団体、シャンパーニュ委員会がまとめたデータによると、総出荷量は2億7140万本と前年比で9.2%減少した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による封鎖で販売が抑制された20年を除けば、出荷量は01年以来の低水準。

同委員会の共同会長、マキシム・トゥバール氏は「シャンパンは消費者の心理状態を示す真のバロメーターだ」とし、インフレや世界の紛争、経済の不確実性が米仏など各国の祝賀ムードを曇らせていると述べた。

フランス国内の出荷量は20年を除き、1983年以降で最低水準となった。フランスは総出荷量の約44%を占めている。

ヴーヴ・クリコやボランジェなど、大手メゾンが製造するシャンパンに対する需要は、パンデミックに伴う制限が緩和された際に急増したが、その後は減少に転じている。これは高級品業界全体に見られる傾向だ。

ドン・ペリニヨンやモエ・エ・シャンドン、ルイナールなどのシャンパン製造を手掛けるLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンのワイン・蒸留酒部門は、過去2年間にわたって需要低下に直面している。同社は1月28日に通期決算を発表する。

同社のベルナール・アルノー最高経営責任者(CEO)は11月、同部門のリーダーシップを一新し、最高財務責任者(CFO)を務めていたジャン・ジャック・ギオニー氏を新たな責任者として起用。副責任者には、息子のアレクサンドル・アルノー氏を任命した。両氏とも来月就任する。

原題:Champagne Shipments Tumble Again as Luxury Slowdown Worsens(抜粋)

--取材協力:Tom Hall.

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