アルファベットのルース・ポラット社長兼最高投資責任者(CIO)は、米国が人工知能(AI)開発競争で中国に対するリードを維持できる保証はないと述べた。

ポラット氏は21日、世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)に合わせて行われたブルームバーグのエリック・シャツカー氏とのインタビューで、米国優位の維持は「当然の帰結ではない」と発言した。

「モデルでわれわれは恐らく1年先行し、チップでも米欧が先を行っている」としながらも、「ベーシック能力普及という点では中国は同等か、あるいは若干リードしているかもしれない」とポラット氏は指摘した。

米中の地政学的緊張が高まる中で、中国の技術高度化は米政府の懸念を招いている。バイデン前政権は今月、AI向け先端半導体輸出に関する包括的な新規制を発表した。

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デジタル変革を目指す複数の国のリーダーから、米国との協力を望むが、米国の協力が得られなくても進めるつもりだという話を聞いたと同氏は語った。

米国は先月、AI向け高帯域幅メモリー(HBM)および半導体製造装置の中国向け輸出を制限する新たな対中規制を発表。国家安全保障を理由に中国の半導体産業の発展を遅らせようとオランダや他の同盟国に広範な制限を求める圧力を加えている。

ポラット氏はトランプ政権に対し、AI開発に適用する「大胆で責任ある」規則の制定を求め、「(規制は)地域間で足並みをそろえる必要がある。投資を妨げるようなパッチワークなら投資したいと思わないだろう」と主張した。

トランプ大統領は就任初日の20日、バイデン前政権のAI規制を無効にする大統領令に署名した。AI開発者に安全性と透明性の要件が適用されなくなる。

トランプ氏は21日、ソフトバンクグループとオープンAI、オラクルが主導する人工知能(AI)インフラへの新たな大型投資を発表した。3社の共同出資事業が1000億ドル(約15兆5800億円)を直ちに投じ、データセンターやキャンパスを含むAIプロジェクト投資額を今後4年で少なくとも5000億ドルに増やすことを目指す。

原題:SoftBank Joins OpenAI and Oracle in AI Pact Unveiled by Trump、Alphabet CIO Porat Warns US Lead Over China on AI Not Guaranteed(抜粋)

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