中国のマルチアセットファンドは2025年、ハイテク株への集中投資という簡潔な戦略で世界の競合ファンドを圧倒した。

ブルームバーグのデータによると、運用資産が5億ドル(約780億円)超の世界のクロスアセット運用投信ランキングで、中国勢が上位20本中13本を占めた。そのうち7本は年間リターンが100%を超えた。

ただ、これら運用会社の多くは「クロスアセット」を標榜しながらも、実態は中国株に資金を集中させ、人工知能(AI)ブームを享受した形だ。投資先も特定銘柄に集中。25年に400%超上昇した通信部品メーカーの成都新易盛通信技術(エオプトリンク・テクノロジー)は上位13本全てが主要銘柄として組み入れていた。競合の中際旭創も12本が保有していた。

好パフォーマンスは、トランプ米大統領の予測不能な通商政策が世界市場を揺さぶる中でも、過去12カ月においてAI投資の収益性が極めて高かったことを物語る。25年初めは中国のAIスタートアップ、DeepSeek(ディープシーク)が話題をさらったが、その後はトランプ氏が市場最大の関心事となった。それでも年末にはAIが再び主導権を握った。

 

これにより、中国株式市場の反転攻勢が鮮明となった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)や経済成長を巡る不安を背景とする長期低迷を経て2年連続で上昇。MSCI中国指数は年末時点で28%高となり、年間では17年以来の大幅高を記録した。

K2アセット・マネジメントの調査責任者、ジョージ・ブーブラス氏は「21年から24年後半にかけての深刻なアンダーパフォームを踏まえると、中国、特に中国のハイテク株へのエクスポージャーを持つマルチアセットファンドの25年のパフォーマンスは極めて優れていた」と述べた。

株高の背景には長期資金を市場に呼び込もうとする中国当局の施策がある。投信に対し国内株の保有比率を3年間にわたり年10%以上引き上げるよう促したほか、国有保険大手には新規保険料収入の30%を投資に充てるよう求めた。

また規制当局は10月、適格外国機関投資家(QFII)制度改善に向けた2年間の戦略を発表し、海外投資家が中国の証券市場に従来よりも容易かつ速やかにアクセスできるようにする方針を示した。

原題:China’s Multi-Asset Funds Dominate Top Performers as Tech Soars(抜粋)

--取材協力:Dingmin Zhang.

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