トランプ米政権は、香港および中国本土に拠点を置く企業4社と、それらに関連する石油タンカー4隻を制裁対象に追加し、ベネズエラの石油輸出に対する圧力を強化した。

米財務省外国資産管理局(OFAC)は12月31日、浙江省に拠点を置くコルニオラ、香港に拠点を置くアリーズ・グローバル・インベストメント、クレイプ・マートル、ウィンキー・インターナショナルを特定国民・資産凍結対象者(SDN)リストに追加した。これら企業がベネズエラの石油産業と関わりがあるとしている。

4社と関連するタンカー「デラ(Della)」「ノード・スター(Nord Star)」「ロザリンド(Rosalind)」「バリアント(Valiant)」も制裁対象とした。

米国はすでに、ベネズエラの石油貿易に関与している船舶や企業のリストを作成している。しかし、現地でビジネスを展開する中国企業を標的にするのはまれだ。トランプ政権とベネズエラのマドゥロ政権との対立に関わらないよう、中国政府にシグナルを送ろうとしている可能性がある。中国はベネズエラにとって最大の石油輸出先であり、石油はベネズエラの歳入の約95%を占める。

トランプ氏

財務省は声明で、「これらの船舶の一部はベネズエラに仕える影の船団を構成しており、マドゥロ大統領の不法な麻薬テロ体制を後押しする資金源を提供し続けている」と説明。「マドゥロ政権は、制裁回避などの活動を容易にし、不安定化工作のための収入を確保するために、世界中の船舶からなる影の船団への依存を強めている」とした。

船舶追跡データによれば、同省が31日に特定した船舶のうち、最近ベネズエラ近くにいたのはロザリンドのみであり、同船は通常「カボタージュ(国内沿岸輸送)」と呼ばれる短距離航行に従事している。しかし、他の船舶はトランスポンダのデータを送信せずに航行していた可能性もある。

高まる圧力

トランプ大統領は、マドゥロ政権が麻薬密売に関与していると主張し圧力をかけている。米財務省は30日、武器取引への関与が疑われるとしてイランとベネズエラに拠点を置く10の個人および企業に対しても制裁を科した。

米沿岸警備隊はここ数週間で船舶2隻を拿捕(だほ)した。3隻目は沿岸警備隊に追跡された後、ベネズエラから離れて大西洋へ退いた。

米国はさらに、ベネズエラ沖で麻薬密売船とされる船舶への攻撃を実施したほか、制裁対象のタンカーの封鎖によってベネズエラの石油輸出を妨害している。

米南方軍は31日、30日にさらに3隻の船舶を攻撃して沈没させ、3人を殺害したと公表した。他の2隻に乗っていた人物は、追撃によって船が沈没する前に船外へ飛び出し、泳いで逃げたという。

南方軍は今回、沿岸警備隊に捜索救助活動を要請したとしている。海に飛び込んだ人物の安否については、攻撃発表時に明らかにされなかった。

中国との関係

中国は、ベネズエラの港に対する米国の封鎖を「一方的ないじめ」と批判し、船舶の拿捕は国際法違反だと主張している。中国の民間精製業者は、同国の全精製能力の最大5分の1を占めるとされ、米国の制裁にもかかわらず、長年にわたりベネズエラ産原油の安定した買い手となっている。

中国は2019年の米国の制裁後、ベネズエラ産原油の輸入を公式に停止したが、24年2月に再開した。しかし、トレーダーや第三者のデータ提供者によれば、中国は非公式なルートを通じた購入を止めたことはなく、ベネズエラ産石油はしばしばビチューメン混合物として偽装されていたという。

原題:US Sanctions Chinese Companies, Tankers With Venezuela Links (2)(抜粋)

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